魁皇 大鵬超えの幕内747勝

[ 2008年7月25日 06:00 ]

若の里を送り出しで下し、幕内747勝を挙げた魁皇

 大相撲名古屋場所12日目は24日、愛知県体育館で行われ、魁皇が若の里を送り出しで下して勝ち越しを決め、36歳の誕生日を飾った。この勝利で幕内通算勝ち星が大鵬を抜き、歴代単独3位となる747勝。地元・九州場所に大関で凱旋することが決まるなど、最高の1日となった。全勝の白鵬は危なげなく千代大海を一蹴。12日目での優勝決定はお預けとなり、13日目の魁皇戦で7度目の優勝を目指す。

【取組結果


 どんなに年齢を積み重ねても誕生日は特別だ。「子どもじゃないんだから、今さら誕生日なんて…」。そう話していた魁皇も、勝利の感触が体内に伝わると無邪気な笑みをこぼした。36回目のバースデーに勝ち越し。さらに、地元の九州場所に大関で凱旋することも確定した。勝ち名乗りを受ける時には、そんきょの姿勢で珍しく両手で太腿をたたき、ホッと息をついた。
 この日も攻めが早かった。しっかりと踏み込んで“生命線”の右上手を奪う。そこで慌てず体勢を整えると、まわしを引き付けながら前へ。若の里の捨て身のすくい投げにも動じず、相手を後ろ向きにさせて土俵下へたたき落とした。12日目の勝ち越しは3場所ぶり。「まわしを引けたので後は前に出ようと。今場所は体が動けている」と充実の表情を見せた。
 誕生日に花を添えるように、幕内通算勝利数も単独3位の747勝に到達。大鵬超えを果たした魁皇は「記録は引退してから振り返るものだが、長く相撲を取っているからこそ」と胸を張った。今場所も脇腹痛などに悩まされたが、1時間以上のマッサージなど日頃の入念なケアが強じんな肉体を支えている。朝稽古には必ず姿を見せ、若手との申し合い、しこなど準備運動も欠かさない。師匠の友綱親方(元関脇・魁輝)も「人の見ていないところでいろいろ努力している」とねぎらいの言葉をかけた。
 13日目は優勝に王手をかけた白鵬との大一番を迎える。昨年の名古屋場所は取り直しの激戦の末に左太腿を負傷。秋場所で途中休場に追い込まれた。「去年のことがあるから、しっかり気合を入れていきますよ」。“白”一色に染まりつつある名古屋の夏、36歳の意地に期待したい。

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2008年7月25日のニュース