けいこ場から竹刀など撤去 抜き打ち視察も

[ 2008年7月25日 11:28 ]

報告書提出後、記者会見する日本相撲協会の北の湖理事長

 日本相撲協会の北の湖理事長は25日午前、監督官庁の文部科学省を訪れ、昨年6月に起きた時津風部屋の力士急死事件を受けた再発防止策の報告書を渡海紀三朗文部科学相に提出した。暴行に使われかねない竹刀などをけいこ場から撤去するほか、抜き打ちを含めた相撲部屋の視察を実施することなどが柱。

 このほか再発防止策として(1)師匠会に医学や栄養学、近代トレーニングの専門家らを招き、力士の健康管理やけいこ法などの講習を行う(2)相撲診療所の所長や看護師などが相談窓口になり、若い力士が心と体の悩みを相談しやすい態勢をつくる―などを盛り込んだ。
 また、協会運営の透明性を高めるため、外部人材登用の対象を、既に決めた監事職だけでなく議決権のある理事にも広げるとしている。
 報告書は、漫画家のやくみつる氏ら外部有識者を交えた再発防止検討委員会が示した原案を基に、協会が24日の理事会でとりまとめた。
 昨年の事件では、時津風部屋の序ノ口力士=当時(17)=が愛知県犬山市のけいこ場で、兄弟子らから暴行を受け多発外傷性ショックにより死亡。このため渡海文科相が昨年9月下旬に北の湖理事長を文科省に呼び、再発防止策の策定を指示していた。

 ▼北の湖・日本相撲協会理事長の話 暴力はいけないこと。二度と起きないように(対策を)強化して努めていきたい。(理事の登用は)指導があったので進めないといけない。寄付行為の変更を最初にやり、人選を進める。まだ決まっていないが(相撲に)理解のある方がふさわしい。

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2008年7月25日のニュース