朝青龍 相星決戦に「楽しみだな」

[ 2008年1月27日 06:00 ]

魁皇を破り、懸賞金を手にした朝青龍

 さあ、千秋楽相星決戦だ!大相撲初場所14日目は26日、両国国技館で行われ、白鵬は琴光喜、朝青龍は魁皇を下し、ともに1敗を守った。東西の両横綱による千秋楽相星決戦は、02年秋場所の武蔵丸―貴乃花で武蔵丸が優勝して以来。白鵬が勝てば自身初の3連覇で通算6度目、朝青龍なら謹慎処分前の昨年名古屋場所以来、貴乃花に並び史上4位の通算22度目の優勝となる。

 場内割れんばかりの魁皇コールに、ヒール横綱の闘争心がかき立てられた。目の前で白鵬の勝利を見届けた朝青龍は、抜群の集中力を発揮。左を差し込んで右上手を奪うと、魁皇に上手を許さず豪快に土俵際へ運んで放り出した。手にした懸賞は今場所初めて白鵬より多い30本。満足そうにわしづかみにすると「踏み込みが良かった。出足を止めて、上手を取らせずに自分のペースで取れた」と振り返った。
 緊張と重圧の連続だった復帰場所も、白鵬と1敗で並んだまま千秋楽を迎えた。「まだあすもあるから。1番1番集中していきたい」と慎重な姿勢を見せたが、自身初の横綱相星決戦には「楽しみだな」と短い言葉に決意をこめた。2場所以上全休後の場所で賜杯を手にすれば、横綱としては89年初場所の北勝海以来19年ぶり。優勝回数も貴乃花(現親方)の22に並ぶ。5年半前の02年秋場所、7場所連続全休明けにもかかわらず武蔵丸との相星決戦に臨んで敗れた貴乃花親方も「休んでいた割には(体が)動いていると思います。まだ若いし(優勝)回数を増やせば盛り上がるでしょう」とエールを送った。
 いつもは報道陣をにらみつけるなど支度部屋では荒々しさ全開だが、この日は“休火山”のまま車に乗り込んだ。まるで千秋楽の大爆発を予感させるような静けさ。連日のように事件を引き起こした「朝青龍劇場」の最終幕は、最強横綱の高笑いで“大団円”を迎えるのかどうか。

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2008年1月27日のニュース