シャラポワ“完全”な全豪初V

[ 2008年1月27日 06:00 ]

トロフィーに口づけをするシャラポワ

 全豪オープンテニス第13日は26日、オーストラリア・メルボルンパークで行われ、20歳同士の対戦となった女子シングルス決勝は、昨年準優勝で第5シードのマリア・シャラポワが、第4シードのアナ・イワノビッチをストレートで下し、初優勝を飾った。シャラポワの4大大会制覇は06年の全米以来3度目。7試合すべてストレート勝ちの“完全V”で優勝賞金137万豪ドル(約1億2900万円)を獲得した。イワノビッチはセルビア選手として初の4大大会制覇を逃した。

 最後までシャラポワが本能のままにボールを叩いた。20歳同士の決勝戦。4大大会2度目の決勝で緊張感漂うイワノビッチから第1セットを奪い、第2セット第9ゲームで訪れたトリプルマッチポイント。「向こうのミスを待つつもりはなかった。自分で決めたかった」と強気に攻めた。
 イワノビッチのフォアがサイドラインを割るのを見届けると、脱力したように座り込み、涙を流した。「つらい敗戦を経験し、初めてここで勝てた。だから格別の思い」。2年連続の4強、昨年は準優勝。過去を振り払った頂点だった。
 立ち上がりからサーブが好調だった。第1セット、自身のサービスは3連続でラブゲームでキープ。第8ゲームで3本のダブルフォールトを犯してブレークされ、第10ゲームのサーブで0―30とリードを許したが、崩れなかった。「あれって経験のおかげかしら。すごく冷静だった」と振り返った。
 家族の留守を守る母エレナさんとは、もう2年も会っていない。昨年はその母の誕生日に完敗。「今年こそは勝ってあげたかった」。この日は誕生日の前日だったが「ハッピーバースデー!この大金でバラの花束を贈るわね」と、優勝賞金の小切手を掲げた。昨年は肩や脚など故障に苦しみ続けた。「努力が報われることはもうないかと思った」。だが、栄冠は待っていた。コート上でトロフィーにキスをしたシャラポワは、さらにたくましさを増したようだった。

続きを表示

2008年1月27日のニュース