IHF会長「日本処分できず」

[ 2008年1月27日 21:56 ]

 国際ハンドボール連盟(IHF)のムスタファ会長は27日、ノルウェーのリレハンメルで記者会見し、北京五輪アジア再予選に出場する日本と韓国にアジア・ハンドボール連盟(AHF)が資格停止などの処分を科した場合、IHFは処分を無効とみなすと明言した。

 同会長は、男女ともやり直し予選の勝者が北京五輪に進出することも確認し、当初の五輪予選に勝ったチームとのプレーオフなどの可能性は「あり得ない」と否定した。「やり直しの実施は、IHF総会の次に権威が高いIHF理事会の決定事項だ。これに従う各国連盟(日本と韓国)を処分できない」と述べた。
 やり直しを決めた理由について「当初の予選で起用されたヨルダン人主審は国際審判員の資格がなく、判定の質がひどいというIHF理事会の総意があったから」と説明した。

 ▼IHF会長に聞く
 国際ハンドボール連盟(IHF)のムスタファ会長が27日、男子の欧州選手権が開催されている当地で記者会見し、北京五輪アジア予選のやり直し問題についてアジア・ハンドボール連盟(AHF)の姿勢を批判した。

 ――AHFが日本などを処分するとみられるが。
 「五輪予選のやり直しはIHF総会の次に権威がある理事会が決めた。これに従って行動している各国連盟(日本と韓国)は何も間違いを犯していない。AHFが処分することはできない」
 ――ここまでの経緯は。
 「当初の予選でIHFが派遣したドイツ人主審の代わりにAHFが起用したヨルダン人主審は、国際審判員の資格がない。普通はあり得ない事態だ。予選が無効で、やり直しが必要と判断した」
 ――問題の再発防止は。
 「すべての大陸予選はIHFが認める審判員が担当し、IHFの管理下で行われなければならない。来月のアジア選手権も、そうならなければ(世界選手権予選として)認めない」
 ――当初予選とやり直しの勝者同士が戦う可能性は。
 「あり得ない。東京で行われるやり直し試合以外は、公式戦として認めない。IHFはAHFより立場が上で、ハンドボールに関することはIHFの決断が最終決定となる」

 <「中東の笛」に憤るIHF幹部>試合を操作する「中東の笛」のうわさが絶えないアジアの現状に、国際ハンドボール連盟(IHF)幹部の多くが憤りを示した。
 副会長でもあるリアン欧州連盟会長は「アジア連盟にはびこる不正は、ドーピングと並ぶくらい深刻な問題だ。競技のイメージを著しく低下させているので、厳しく対処する」と語気を強めた。
 韓国協会がIHFに送付した当初予選のDVDを見たというトゥイク競技委員は「ひどい誤審の連続だった。しかもただのミスではなく、明らかな結果操作と分かる」と率直だった。(共同)

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2008年1月27日のニュース