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サッカーの不正疑惑、手口も変化している

[ 2025年6月4日 12:02 ]

 【大西純一の真相・深層】オーストラリアAリーグでプレーしている日本人選手が、賭博不正疑惑の捜査で起訴されたと報じられた。今年4月と5月の4試合で賭博の不正行為に関連して10件の罪に問われていると報じられている。意図的にイエローカードをもらい、賭けの結果を意図的に操作しようとした疑いが持たれているのだ。

 どういう事かというと、近年はサッカーの試合を対象とした賭けは、かつてのようにスコアと勝敗を対象としたものだけでなく、「どちらのチームが先にCKを得るか」「どちらのチームが先にイエローカードを出されるか」などが対象のものもある。しかも、試合中にリアルタイムで行われているという。賭け方も変わり、それにともない、不正の仕組み方も変わってきているのだ。

 確かに「故意に負けてくれ」とアプローチされても、「うん」という選手はいないだろうが、「先に相手にCKを与えてくれ」と頼まれれば、「それぐらいなら」と、罪の意識を感じず、手を貸してしまう選手もいる可能性はあり、ハードルは低くなっている。

 Jリーグでは14年3月に、FIFAの関連会社から3月8日の広島―川崎F戦で、「ブックメーカーの賭け方にわずかな異常値が見られた」と連絡を受けて、両チームの関係者や選手、審判員などから事情聴取を行い、試合の映像を分析して調査したことがある。賭け率が急激に変化したためだが、不正は確認されなかった。翌15年10月にJリーグがFIFAの専門家を招き、Jクラブの担当者などを対象に都内で勉強会を開くなど、啓蒙活動を行っている。賭け方の変化や不正に巻き込まれる手口、関わる怖さも伝えられているだけに、今回日本人選手が不正に関与したのであれば、残念なことだ。

 日本では50年以上前にプロ野球の「黒い霧事件」が発覚し、不正に荷担した何人もの選手が「永久追放」などの厳しい処分を受けた。時間の経過と共に風化していくものだが、忘れてはいけないものでもある。オンラインカジノなども問題になっている中で、「これぐらいなら」で済まされるものではない。「Jリーグは大丈夫」ではなく、こういう時こそ、かぶとの緒を締め直し、あらためて警鐘を鳴らしてほしい。

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