×

イニエスタ 涙で神戸に別れも6・6バルサ戦、7・1札幌戦でファンに感謝の全力プレー見せる!

[ 2023年5月26日 05:30 ]

<神戸・イニエスタ 退団会見> 会見中、涙を拭う神戸・イニエスタ (撮影・後藤 大輝)
Photo By スポニチ

 神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(39)が25日、神戸市内で会見し、退団を正式に表明した。現役を続ける意向で移籍先は未定。契約を半年残して退団する理由として今季のプレー時間が激減したことを挙げた。7月1日のホーム札幌戦(ノエスタ)がラストマッチになる。18年夏の加入から丸5年。19年度の天皇杯でクラブに初タイトルをもたらした世界的名手との別れの時がついに訪れた。

 あふれる涙が神戸での濃密な日々を物語っていた。三木谷浩史会長とともに登壇したイニエスタは「この素晴らしいリーグで5年間プレーできたのはかけがえのない経験だった。プロ人生の中でもっとも難しい決断の一つだった」。何度も目頭を押さえ、言葉に詰まるシーンもあった。

 「ここで引退する姿を想像してきた。だが時に物事は希望どおりにいかないもの」。神戸での現役引退を望んでいたことも明かしたが、今季は苦しい時間が続いた。開幕前に脚を負傷し開幕直後には夫人の出産立ち会いのために一時帰国した。一方、主将不在の中でもチームは首位を快走。“バルセロナ化”からの脱却を掲げた吉田孝行監督はプレー強度と運動量をベースに戦い、技術を最大限に生かすイニエスタはリーグ戦3試合で計38分の出場にとどまっていた。「それぞれの歩む道が分かれ始め、監督の優先順位も違うところにあると感じ始めた。それが自分に与えられた現実。リスペクトをもって受け入れた。まだまだピッチで戦い続けたい思いがある」。クラブとは何度も話し合いの場を持った上で新天地での出場機会を望み、日本での5年間の生活にピリオドを打つことを決めた。

 そして「このクラブを去る前に2つの大事なイベントがある」と力を込めた。一つは7月1日のホーム札幌戦。もう一つは6月6日にはクラブ初タイトルを掲げた国立競技場で行われる古巣バルセロナとの親善試合だ。バルセロナ戦では日本中のサポーターへの感謝を込めて、そして日本でのラストマッチとなる札幌戦では神戸サポーターへの大きな敬意を持って全力でプレーする意向を示した。

 スペイン1部、欧州チャンピオンズリーグ、W杯など総獲得タイトル数は「38」。日本を愛し、日本サッカー界の発展にも尽力した“魔術師”の美技を堪能できるのは、あと8試合しか残されていない。 (飯間 健)

 ◇アンドレス・イニエスタ 1984年5月11日生まれ、スペイン・フエンテアルビージャ出身の39歳。12歳でバルセロナの育成組織入りし、02年にトップチームデビュー。バルセロナで獲得したタイトルは32個。18年神戸に加入、19年度の天皇杯を制しクラブ初タイトルに貢献した。スペイン1部リーグ通算442試合35得点。J1通算113試合21得点。スペイン代表では06年に初出場、国際Aマッチ131試合出場13得点。08年、12年欧州選手権、10年W杯で優勝。1メートル71、68キロ。利き足は右。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

2023年5月26日のニュース