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U20松木玖生 世界デビュー弾!鮮烈ミドルで優勝候補セネガル撃破 俊輔氏の金言を大舞台で体現

[ 2023年5月23日 04:44 ]

U-20W杯アルゼンチン大会1次リーグC組   日本1-0セネガル ( 2023年5月21日    ラプラタ )

<日本・セネガル>得意の左足でミドルを叩き込んだ松木(AP)
Photo By AP

 C組の日本は1次リーグ初戦でセネガルを1―0で破って白星発進した。前半15分、MF松木玖生(20=FC東京)が強烈なミドルシュートで決勝ゴールを奪った。世界から熱視線を浴びる主将の号砲でアフリカ王者の難敵を撃破し、初の頂点に向けてスタートダッシュに成功。次戦は24日(日本時間25日)の第2戦でコロンビアと激突する。

 松木が歓声に酔いしれた。前半15分に決勝点を奪うと、左手の人さし指で天を指さしながら喜び、さらに両手を耳の後ろに当てるパフォーマンス。元アルゼンチン代表MFリケルメと同じゴールセレブレーションで現地ファンを盛り上げた。

 コロナ禍で21年U―17W杯が中止となり、この世代にとって世界デビュー戦。だが、松木は臆することなく、強烈な一撃を優勝候補にお見舞いした。ペナルティーエリア外の中央で味方からパスを受けると、シュートに一切の迷いなし。ボールは相手GKに触られることなくゴールネットに突き刺さった。

 「普段からあそこを狙っている。(福井)太智から横パスが来て、ゴールが真っすぐ見えたので打ち切ろうと思った。こういう大舞台に強いのが自分。自信になるし勝てることを世界に証明できた」

 昨年11月、FC東京の先輩のDF長友に連れられ、横浜市内の焼き肉店で中村俊輔氏と会食する機会を得た。同じ左利きのレジェンドにFKなどキックについて尋ね、「人のまねじゃなく自分の蹴り方、タイミングなどで蹴った方がいい」と自身のフォームを固めることが重要だと金言をもらった。また、CKなどについては「1試合で5~6本あるから、1本目にニアに打って相手の動きを確認したり、駆け引きしていた」と経験を注入された。

 クラブではシュート練習に重きを置いてきた。「シュートは凄く練習していて、その中でもセットプレーとかゴール前のミドルシュートを自信を持って練習できている」。ブレ球を含め、数種類のキックを使い分けられる。世界を驚かせたプレーには、生来の積極性に加え、積み重ねた自信がベースにある。

 アジア予選ではプレミアリーグのウルバーハンプトンのスカウトが松木をお目当てに現地で観戦した。「注目されるようなプレーをしたい」と乗り込んだW杯。海外メディアでは日本代表MF三笘が活躍するブライトンがリストアップしたと報道。また、同MF鎌田が所属するドイツ1部Eフランクフルトやフランス、オランダのクラブも興味を示しているという。

 この日の得点で松木の評価はさらに上がった。狙うのは2戦連発での連勝。「一喜一憂せず、勝ち切ることだけをイメージしていきたい」。個人としてもチームとしても、世代の頂点を目指して駆け抜ける。

 ◇松木 玖生(まつき・くりゅう)2003年(平15)4月30日生まれ、北海道出身の20歳。青森山田中で2度の全国優勝。青森山田高では1年生からレギュラーとなり、21年度の全国高校選手権で優勝。22年にFC東京でプロ生活をスタートすると、開幕戦で先発するなど主力としてフル稼働した。1メートル80、78キロ。利き足は左。

 ▽U―20W杯 前身は世界ユース選手権。1977年に初開催され、2007年大会から現名称となった。日本は第2回大会に開催国として初出場。99年には小野伸二ら“黄金世代”を擁して準優勝した。21年は新型コロナの影響で中止。1次リーグは24チームが6組に分かれ、各組上位2チームと、3位のうち成績上位4チームが決勝トーナメントに進む。

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