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元々右利き、だけど中村俊輔ばり芸術的FK 神戸・初瀬 プロ入り8年目で初の直接弾「完璧だった」

[ 2023年4月30日 06:30 ]

明治安田生命J1第10節   神戸2-0湘南 ( 2023年4月29日    ノエスタ )

前半、フリーキックから先制ゴールを決める神戸・初瀬亮 (撮影・須田 麻祐子)
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 明治安田生命J1リーグは各地で8試合が行われ、首位の神戸はホームで湘南に2―0で快勝した。前半21分にDF初瀬亮(25)の直接FK弾で先制すると、後半35分にはMF山口蛍(32)がダメ押し弾。勝ち点を22に伸ばした。

 左足に全神経を集中させた。ゴールまで約30メートルのFK。神戸の初瀬は迷うことなく左足を振り抜いた。「距離があったので、スピードボールが必要だと思ったし、GKの油断もあったと思う。あそこしか(コースは)なかった」。美しい弧を描いたボールは壁役4選手の頭上を越え、韓国代表GK宋範根(ソン・ボムグン)の手をかすめてゴール右隅に突き刺さった。

 元々は右利き。左足で練習するようになったのは、当時セルティックや日本代表で活躍していた中村俊輔の存在があったから。小学生時代はセルティックのユニホームを着て練習に参加していたほどだ。約30メートルの位置から壁4枚の頭上を越えた06年11月21日の欧州CLマンチェスターU(イングランド)戦。俊輔が決めた“伝説のFK”は「何度もDVDで見返した」。それを再現するかのような一発に「何も言うことがないくらい完璧だった」と胸を張った。

 高い精度を誇る両足でのキックが持ち味だが、意外にもプロ入り8年目で初の直接FK弾だった。「良いキッカーがたくさんいる中で任されている分、結果を残すことは重要だった」。課題と指摘されてきた守備も吉田孝行監督やコーチングスタッフの指導の下、向上しつつある。この日2点目を奪ったMF山口やFW大迫らビッグネームの陰に隠れがちだが、地道に積み上げてきたサイドバックの存在も首位クラブを支える原動力だ。 (飯間 健)

 ◇初瀬 亮(はつせ・りょう)1997年(平9)7月10日生まれ、大阪府岸和田市出身の25歳。G大阪ジュニアユース、同ユースを経て16年にトップ昇格。19年に神戸移籍。17年12月にハリルホジッチ監督(当時)率いる日本代表に初選出されるも試合出場なし。1メートル80、70キロ。利き足は両方。

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