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岡山学芸館 町クラブ出身・MF木村匡が2得点 Jアカデミー出身者わずか2人の雑草集団が意地見せた

[ 2023年1月10日 04:30 ]

第101回全国高校サッカー選手権・決勝   岡山学芸館3―1東山 ( 2023年1月9日    国立競技場 )

<岡山学芸館・東山>後半、岡山学芸館・木村匡(中)はこの日自身2得点目のゴールを決め喜ぶ(撮影・西海 健太郎)
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 雑草軍団の意地だった。同点の後半7分、左からのクロスに飛び込んだのは岡山学芸館のMF木村匡。ボランチの位置から飛び出して勝ち越しヘッドを叩き出すと、同40分には右足ボレーでダメを押した。「(1点目は)クロスが良かった。(2点目は)こぼれてくるのは分かっていたし狙いどころだった」。優勝インタビューでは「実感が湧かなくて」真っ白になったが、優勝メダルの輝きと重さで現実をかみしめた。

 大阪府茨木市出身。中学時代は高槻ジーグという町クラブに所属した。だが木村匡だけではない。C大阪U―15や京都U―15など多くのJアカデミー出身者をそろえる東山とは対照的に、わずか2人。高原監督は「有望な選手に声をかけても断られることも多い」と明かすなど、決してエリート集団ではなかった。

 主将のDF井上斗嵩(3年)は「反骨心?ありました。気持ちで負けないというところで戦った」と胸を張る。高みを目指し、果敢に攻める姿勢が最高の結果をもたらした。

 《平氏が自信植え付けた》○…今年度からゼネラルアドバイザーに就任した平清孝氏=写真=の豊富な経験も、初の日本一に大きく貢献した。平氏は多くのプロを輩出した東海大福岡高で45年にわたって指導した名物指揮官。高原監督も教え子だ。大舞台でも選手たちが気おされないよう「勝つことを信じろ」「いけるぞ」と声をかけ、自信を植え付けた。「勝ち残るのはうまくて強いチーム。この子たちは一試合ごとに強いチームに変化した」。柔和な表情で優勝を喜んだ。

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