×

福岡の非紳士的ゴールで騒然 名古屋猛抗議の末、守備放棄してゴール与える これっていいの?

[ 2022年9月4日 04:30 ]

明治安田生命J1第28節   福岡2―3名古屋 ( 2022年9月3日    ベススタ )

<福岡・名古屋>ゴールに向かう福岡MFクルークス(右)
Photo By スポニチ

 明治安田生命J1リーグは各地で8試合が行われ、福岡―名古屋戦で“紳士協定違反”があり騒然となった。名古屋に返すはずの福岡のスローインで、福岡MFルキアン(30)がボールを奪って、MFジョルディ・クルークス(28)がおきて破りのゴールを決めた。長谷部茂利監督(51)が1点を与えることを指示して騒動は収まったが、福岡は2―3で敗れた。

 騒然となるゴールが生まれたのは、福岡が1点を追う前半21分だ。クルークスが負傷し、名古屋側がボールを蹴り出してプレーをストップした。その後、プレーは福岡DF前嶋のスローインから再開。暗黙の紳士協定通り相手GKに渡すためにボールを投げたが、そのボールを福岡ルキアンがカットし、ゴール前にパスしてクルークスがネットを揺らした。まさかの同点劇に名古屋の選手たちが猛抗議した。ただ、明確な反則ではないためゴールは認められた。

 荒れる空気の中で両監督が話し合い、長谷部監督は相手に1点を献上することを決断。「選手の勘違いもありフェアプレー精神で対応した」。同24分、キックオフ後に福岡の選手は全く動かず守備を放棄。名古屋のFW永井がゴールを決めた。

 ルキアンは試合後も無言だったが、スローインした前嶋は「意図と違って申し訳なかった」と話し、MF前は「どういう状況でボールが出たのか(ルキアンたちが)分かってなかったと思う」とおもんぱかった。

 伏線は、前半2分にあった。福岡のGKとDFの頭がぶつかる激しい接触でプレーが止まらず失点を喫した。指揮官は「それが残っていたので自分たちもという思いが出たんだと思う」と選手たちの気持ちも推し量ったが、「それは違うと修正した。1点渡すしかないので選手たちには理解してもらった」と話した。

 指示による失点は試合の合計点を予想するスポーツくじに影響する可能性もある。福岡は後半に退場者も出し、2連敗で15位に転落。後味の悪い敗戦となった。

 《03年ナビスコ杯・京都vs大分でも》Jリーグでは故意に得点を献上した珍事は過去にもある。03年3月8日のナビスコ杯(現ルヴァン杯)京都―大分戦。1―1で迎えた後半、ピッチ上に倒れた大分の選手がいたため、京都の選手がボールを外に蹴り出した。プレー再開の後半17分、相手に返すべきボールを大分選手が奪い、そのまま勝ち越しゴール。京都の猛抗議後、大分の小林監督の指示で京都MF中払に得点させた。大分は最終的に2―3で敗れた。

続きを表示

2022年9月4日のニュース