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京都 稲盛名誉会長にささげる白星 ベンチには特別ユニホーム、サポーターも感謝の横断幕掲げる

[ 2022年9月4日 06:00 ]

明治安田生命J1第28節   京都2ー0神戸 ( 2022年9月3日    サンガS )

<京都・神戸>京セラ・稲盛名誉会長を追悼する横断幕が掲げられたスタンド(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

 各地で8試合が行われ、京都はクラブの設立に尽力し、8月24日に90歳で亡くなった京セラの稲盛和夫名誉会長へ白星をささげた。序盤に2点を重ね、2―0で神戸を一蹴した。

 偉大なる故人へささげる白星だった。京都が前半9分までに2得点を奪い、リーグ7試合ぶりの勝ち点3。チョウ貴裁(チョウキジェ)監督は「選手も期するものがあった。このタイミングでホームでの試合。我々にとって忘れられない一試合になった」と言葉をつまらせた。

 8月24日にクラブ創設に尽力した京セラの稲盛和夫名誉会長が永眠した(享年90)。90年代前半、クラブのJリーグ入りを目指して京セラが資本金の半分以上を出資。新スタジアム構想も早くから提唱し、20年には新スタジアムが完成した。試合や練習にも何度も足を運び、クラブの発展や成長を見守った。

 試合前には黙とうをささげ、ベンチには稲盛氏の年齢を背中に入れた特別ユニホームを飾った。喪章は選手やスタッフだけではなく、全社員が着けた。サポーターは「貴方の注いだ想いはこの京都サンガFCと共に未来永劫生き続けます」などと感謝を記した手書きの横断幕を掲出した。そして在籍歴の短い選手が多い中、最もチーム在籍歴が長い岡本通訳がミーティングでクラブの歴史を説明。現在J1にいられるのは、稲盛氏の情熱があったからということを理解して臨んだ。

 故人が願ってやまなかった新スタジアムではリーグ最多1万7636人が集まった中、13位に浮上した。先制点のFW松田が「これを続けていくことが大事」と言えば、移籍後リーグ初得点のFW豊川は「サンガをつくっていただいた方のためにも降格するわけにはいかない」と力を込める。残り8試合。稲盛氏の思いを胸に、まずはJ1残留を果たす。(飯間 健)

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2022年9月4日のニュース