尚志DFチェイス・アンリ完封貢献　攻守で別格！PK戦1番手も決めた

第100回全国高校サッカー選手権第2日・1回戦   尚志0―0（PK4―3）瀬戸内 （ 2021年12月29日    柏の葉 ）

＜尚志・瀬戸内＞後半、ヘディングシュートを放つ尚志・チェイス・アンリ（撮影・沢田　明徳）
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　“怪物”と呼ばれるDFチェイス・アンリ（3年）を擁する尚志（福島）は瀬戸内（広島）と対戦。PK戦で4―3で勝利し、初戦突破を決めた。

　前後半で決着がつかず、0―0で迎えたPK戦。先攻の瀬戸内1番手・FW佐野が失敗した直後、スタジアムに漂う緊張感にもチェイスは動じなかった。冷静な表情で右足を振り抜き、ゴール右へきっちり押し込んだ。「ここで決めなきゃと思っていた。3年生で最後の大会なので、（初戦を）勝てて本当に良かった」。チームに勢いをもたらしたシーンを笑顔で振り返った。

　大会前、自らのストロングポイントを「全て」と答えたチェイス。その言葉通り、この日は攻守で躍動した。軍人だった父レジナルドさん譲りの1メートル87、80キロの恵まれた肉体に加え、垂直跳び70センチを誇る。自陣のゴール前では、相手に強烈なプレッシャーをかけ何度もボールを奪い、高い壁として君臨。自慢のロングフィードで前線へパスを供給し、多くの見せ場も演出した。

　高さは攻撃でも威力を発揮する。後半33分、MF草野のCKに、ゴール前で反応。頭で合わせた強烈なシュートはクロスバーの上へ。「決定機だったが、決められなかったのが悔しい」と唇をかんだが、それだけでスタジアムはざわついた。

　今夏はオランダの強豪AZアルクマールやドイツ1部シュツットガルトの練習に参加。10月にはU―22日本代表に“飛び級”選出され、U―23アジア杯予選カンボジア戦に出場した逸材。仲村浩二監督も「何でもできる。やれると思ったことを全てやってほしい」と期待する。

　「全てができる」とリバプールのDFファンダイクに憧れる17歳。「（優勝し）最後のロッカールームを笑って出る」というチーム目標へとひた走る。