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森保監督 初勝利に安堵も…勝負の10月へ攻撃に課題、オプション乏しく交代2枠残し

[ 2021年9月9日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組   日本1-0中国 ( 2021年9月7日    カタール・ドーハ )

<中国・日本>長友(左)らとタッチを交わす森保監督(右から2人目)(C)JFA
Photo By 提供写真

 2度目の「ドーハの悲劇」は回避した。連敗すれば進退問題に発展しかねない状況だった中国戦。森保監督は現役時代に悲劇を経験した因縁の地で初勝利を挙げた。「オマーン戦後、いろんな事が書かれてるだろうと知人からの連絡で想像していた。私の職は一戦一戦、生きるか、死ぬか。そこは常に覚悟しています」。安堵(あんど)の表情だった。

 まさかの黒星発進となったオマーン戦から中4日。最も変化したのはメンタル面だ。「強い覚悟、W杯への思いを持って戦おうと働きかけた。選手は反発力を見せてくれた」。球際や切り替え、パススピードも見違えた。先発は4人変更。中国が前半に見せた5バックは想定外だったが「選手がハードワークと賢さを持ち、柔軟に対応してくれた」と称えた。

 大迫の得点シーンではベンチに向け、拍手を送った。初戦に敗れた後、各選手と話し合い、反省、修正点をつぶす作業を重ねた。だからこそサブの選手、スタッフにも「全員で取った1点」を強調し士気を高めた。だが終わってみれば得点はその1点だけ。攻撃オプションに乏しく、最後まで交代枠2を残した采配も疑問を残した。

 来月には最終予選のヤマ場を迎える。7日に敵地でサウジアラビア、12日にホームでオーストラリアと戦う。いずれも2連勝発進のライバル国だ。「結果が全て。覚悟で相手を上回っていく準備が必要」。今後も帰国せず欧州で選手視察を続け、直接、中東入りする。進退問題はいったん、先送りされたが、最終予選の厳しさはここから本番を迎える。 

 《突破率5→30%》初戦のオマーン戦に敗れた日本が中国戦に勝ち、最終予選初勝利。アジア最終予選がホーム&アウェー方式となった98年大会以降、初戦●だった延べ21カ国のうち、本大会に出場できたのは前回18年大会予選の日本だけで、出場確率は5%だった。今回の日本のように2戦目終了時で勝ち点3(○→●を含む)だった延べ10カ国では、本大会出場は06年大会の日本と韓国、前回日本の3カ国。出場確率は30%まで上昇した。

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