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G大阪、エースの2カ月ぶり弾で残留圏15位浮上 宇佐美「体蝕まれ“もうエエわ”という感じにもなった」

[ 2021年7月27日 23:08 ]

明治安田生命J1第3節   G大阪2―1大分 ( 2021年7月3日    パナスタ )

 G大阪―大分 試合終了間際、決勝ゴールを決めて駆けだすG大阪・宇佐美=パナスタ
Photo By 共同

 クラブスポンサーのロート製薬の目薬を指したと笑わせた。泣いたとは決して認めなかった。だが試合後、エースの目にはうっすら光るものがあった。チームを今季初の逆転勝利に導いたのは、5月27日・リーグ徳島戦以来の得点となった宇佐美貴史(29)の右足だった。

 「折り返してくれると信じて走りました。でも思ったよりも良いボールがパトから来たんでビックリした。浮かさないようにだけ心掛けた」

 同点に追いついた後半アディショナルタイムだった。韓国代表DF金英権のフィードをFWパトリックが頭で折り返し、走り込んだ宇佐美が右足ハーフボレー。難度の高いスーパーゴールを豪快に叩き込み、残留を争うライバル大分を振り切った。

 苦しい日々だった。ACL1次リーグ・タンピネス(シンガポール)ではPKを失敗。帰国後再開されたJ1リーグでも福岡戦、神戸戦と決定機を阻まれた。「良いシュートは打てているのに、もうちょっとのシーンが多くて…」。小さくて大きなボール一個分のズレ。修正しようと様々な練習をしてきたが、ネットは揺らせなかった。

 加えてACL帰国後の“バブル(一般人との隔離)生活”で家族にも会えない日々。公式戦15連戦のタイトな試合日程も重なり「体が徐々に蝕まれていく感覚があった」。追い詰められ「自分に重圧を掛けすぎていたので“もうエエわ”という感じにもなった」という。だが「それでもやり続けるしかない。いつか入る日が来る」。シュート練習を繰り返し、やっとエースとしての仕事を果たした。

 チームは連敗を「2」で止め、残留圏の15位に浮上。勢いに乗るために、中2日で迎える次戦・アウェー札幌戦でも勝利をつかむ。

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2021年7月27日のニュース