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元なでしこジャパン横山久美 トランスジェンダーを公表 将来は「男になって生きたい」心境を誠実に告白

[ 2021年6月20日 17:42 ]

横山久美
Photo By スポニチ

 サッカー女子の元日本代表で米女子プロリーグのワシントン・スピリットに所属するFW横山久美(27)が20日までに、心と体の性が一致しないトランスジェンダーであることを公表した。

 横山は19日、元日本代表で米女子プロリーグ、レーシング・ルイビルに所属するFW永里優季(33)の公式YouTubeチャンネルに登場。「横山、オープンにします」と語ると、「将来、サッカーをやめて、男になって生きていきたいなって言う思いがあって」と告白した。

 さらに「今まで何人かの女の子とも付き合ってきたし」とし、「日本にいた時はすっごい隠してたんですよね。世間の目っていうのもあるし、一応立場上って言うのもありましたし」と振り返った。だが米国やドイツでは「彼氏、彼女、どっちがいるの?」と質問されることがあり、「それが普通って言うか。心が広いって言うか」と感じるように。「最近は日本でもLGBTQって言う言葉が普及してきて、色々取り上げられてますけど、自分みたいな立場の人たちが声を大にして言わないと、まだまだ発展していかないかなと思って」公表したとした。

 「すべてを理解するのは絶対に無理だと思うんですよね」としながらも、「今回アメリカに住んでオープンにしていいんだな」と感じ、チームメイトからも「隠している方がダサいよ。なんではっきり言わないの。隠さなくていいんだよ」と言われたと明かした。日本でも「自分だけじゃなくて、今、声を結構大にしている人たちとかみんなが力を合わせたらもうちょい発展していくのかなと思って。自分が立役者にならなくてもいいんです。そういう人たちも受け入れられる、そういう風になったらいいなと思っています」と力を込めた。また、乳房を切除していることや現在の彼女や両親との関係なども赤裸々に語った。

 今後サッカーを続けていく中では、「正直女子サッカー界の中でも(トランスジェンダー)は多いじゃないですか。言ってない人も多いかもしれないけど。隠している人たちも普通にサッカーを楽しむことができたりとか、男になりたいからあきらめた人もいると思うんですよ。こういうことでもできるんだよということは共鳴できたらなと思います」。最後にも「自分みたいなのが出てきたときに、サッカー界でもいろんなスポーツ界でも、この人が言っているから大丈夫なんだ、言えるんだという風になったらいいなと思います」と強調した。

 横山は岡山湯郷、長野などでプレーし、19年12月にワシントン・スピリットに完全移籍した。なでしこジャパンでは通算43試合で17得点を挙げ、19年の女子W杯にも出場した。

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2021年6月20日のニュース