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川崎F・田中碧 独2部デュッセルドルフ移籍、昨季Jベスト11 東京五輪司令塔が直前の決断

[ 2021年6月20日 02:00 ]

ドイツ2部デュッセルドルフへの移籍が明らかになった川崎F・田中碧
Photo By スポニチ

 川崎FのU―24日本代表MF田中碧(22)が今夏、ドイツ2部デュッセルドルフに電撃移籍することが19日までに分かった。1年間の期限付きでの加入となるもよう。川崎Fはこの日、26日にスタートするアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグの集中開催地ウズベキスタンへ出発したが、田中は新チーム合流のため不参加となった。東京五輪を約1カ月後に控えた中、日本サッカー界期待の若き司令塔が大きな決断を下した。

 ACL開幕を直前に控えた川崎Fに衝撃が走った。複数の関係者によれば、東京五輪でも活躍が期待される田中が、ドイツ2部デュッセルドルフへ移籍することが急転直下で決定。新チーム合流のために近く渡独するもようで、ACLには出場しないことが決まったという。

 川崎Fアカデミー出身の田中は、17年にトップ昇格。地道な努力が実り、2年目から徐々に頭角を現すと、圧倒的な強さでリーグを制した昨季はベストイレブンにも選出。今や国内屈指のボランチに成長した。その成長ぶりは五輪世代の日本代表でも発揮され、メンバー入りを懸けた今月の強化試合では、オーバーエージ枠で選出された遠藤航と息の合ったプレーを披露。五輪後はA代表での活躍も期待されている。

 デュッセルドルフは過去に日本代表MF原口、G大阪のFW宇佐美ら多くの日本人が所属し、現在も日本人の母を持つドイツU―21代表MFアペルカンプ真大(20)がプレーするなど、日本に縁の深いクラブだ。

 初の国際タイトルを目指す川崎Fにとっては痛い流出だ。元々、海外志向が強かった田中。川崎Fもオファーがあれば、五輪後に快く送り出す構えだった。だがデュッセルドルフがACL不参加を条件に代理人側と水面下で話し合いを進めたもよう。川崎Fは強く慰留したというが、最終的に田中の希望を尊重し、このタイミングでの移籍が決まったようだ。22日に東京五輪のメンバー発表を控える中、若きボランチは大きな決意を持って海を渡る。

 ◇田中 碧(たなか・あお)1998年(平10)9月10日生まれ、川崎市出身の22歳。小3で川崎Fの下部組織に入団。ユース時代には10番を背負ってプレーし、17年にトップ昇格。J1デビューを果たした18年9月の札幌戦では初得点もマークした。東京五輪世代は19年6月のトゥーロン国際で初招集され、同10月のU―22ブラジル代表戦で2得点。同12月にはE―1選手権に臨む日本代表にも選出され、香港戦でA代表デビュー。国際Aマッチは2試合に出場し得点なし。1メートル80、74キロ。利き足は右。

 ▽デュッセルドルフ 本拠地はドイツ中西部のデュッセルドルフで創設は1895年。昨季は16勝8分け10敗で18チーム中5位。2季ぶりの1部昇格を逃すも、1970年代は1部で活躍した古豪。チームカラーは赤。指揮官はドイツ人のウーベ・レスラー監督(52)。ホームはエスプリ・アレーナ(約5万1500人収容)。

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2021年6月20日のニュース