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広島・城福監督 声が詰まる万感1勝「勝ち点3以外許されないと思っていた」 悪夢の「大敗」乗り越え

[ 2021年6月19日 23:00 ]

明治安田生命J1リーグ第18節   広島1ー0柏 ( 2021年6月19日    Eスタ )

広島・城福監督
Photo By スポニチ

 何度も言葉に詰まった。何度も同じ言葉を使った。柏に1―0で勝利し、3月17日・清水戦以来3カ月ぶりのホーム白星。試合後、城福監督の表情にさわやかな笑みはない。あったのは胸を熱くさせる“何か”を抑えようという感情だったか。

 「本当に水曜日(16日)…残念な思いをさせたというよりも広島のファミリーにショックを与えてしまった。そういう言葉がふさわしい試合をしてしまった。きょうは勝ち点3以外に許されないと思っていた。この重圧の中で選手は勝ち点3を取った…称えたい」

 16日の天皇杯2回戦・おこしやす京都戦(関西1部)。カテゴリー的には5つも下の相手に1―5の大敗を喫した。試合前、選手たちには「クラブが一つになるために、我々がやるべきことをやろうと。天皇杯の結果は取り戻せないが、クラブを一つにすることは我々の姿勢で取り戻せる」と語りかけた。「勝ちたいではなく勝つ以外の選択肢はない」。悲壮な覚悟だった。

 その指揮官の熱い思いに応えるべく、選手は試合開始から主導権を握った。柏GKの攻守に何度阻まれても集中力を途切れさせず、そして後半33分に日本代表DF佐々木がゴールをこじ開けた。守備陣も無失点。「選手はリバウンドメンタリティーを持っていると感じた」と言葉に力を込めた。

 「心の痛い水曜日、3カ月間」(城福監督)を乗り越え、つかみ取った勝ち点3。この勝利には1勝以上の重みがある。

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2021年6月19日のニュース