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青森山田の10番・松木玖生、仏1部からオファーか 川島所属ストラスブールが冬の獲得目指す

[ 2021年6月18日 05:31 ]

青森山田のMF松木玖生
Photo By スポニチ

 青森山田高3年のU―20日本代表MF松木玖生(くりゅう、18)が、フランス1部ストラスブールに加入する可能性が高いことが17日までに分かった。関係者によれば、日本代表GK川島永嗣(38)が所属する古豪がその能力を高く評価し、既にオファーを出しているもよう。海外志向の強い松木は前向きな姿勢を示しているようで、正式契約に至れば、日本サッカー界期待の星がJリーグを経由せずに来年1月にも海を渡ることになる。

 全国屈指の強豪校のエースに、いきなり欧州5大リーグに挑むチャンスが巡ってきた。複数の関係者によれば、ストラスブールが青森山田高のMF松木の将来性を高く評価。獲得に向け既にオファーを出しているという。

 北海道出身の松木は、中学から青森山田サッカー部に入部。類いまれな能力でめきめきと頭角を現すと、高校進学後も1年生からレギュラーの座を奪取。全国高校選手権では4得点をマークして注目を浴びた。昨年度も2年生ながらMF柴崎岳(スペイン2部レガネス)もつけた10番を背負って出場。2年連続で決勝で涙をのんだが、冷静かつアグレッシブなプレーでさらに評価を高めた。

 1年時は主にボランチでプレーしていたが、最近は主に攻撃的MFとして活躍。パス、ドリブルなどの技術面に加え、豊富な運動量、広い視野にも定評がある。ゴールへの嗅覚も持ち合わせ、攻守に貢献できる、まさに万能型MF。3年生となった今年はキャプテンに任命され、強いリーダーシップでチームを引っ張っている。

 元々海外志向が強く、目標は「海外で活躍し、日の丸を背負ってプレーする」こと。今年1月末にはフランス名門リヨンのU―19チームの練習に参加している。日本代表は各年代で選出され、今年5月には飛び級でU―20日本代表候補にも参加。コロナ禍の影響でU―20W杯は中止となり、アピールチャンスは奪われたが、松木は自らの実力で海外への扉をこじ開けた形だ。

 過去、高校年代からJリーグを経由せずに海外挑戦した選手としては、11年1月に中京大中京高からアーセナル(イングランド)に移籍した元日本代表FW宮市亮(28=ドイツ2部ザンクトパウリ)らがいる。端正なマスクで人気も高い松木。次世代の日本サッカー界を担う若き逸材の決断に注目が集まりそうだ。

 【松木 玖生(まつき・くりゅう)】
 ☆生まれ 2003年(平15)4月30日生まれ、北海道出身の18歳。

 ☆フィジカル 昨冬の全国高校選手権出場時で1メートル79、75キロ、スパイクのサイズは26・5センチ。50メートル走は6秒5、100メートル走は12秒1、1500メートル走4分40秒、垂直跳び60センチ、ベンチプレス95キロ。利き足は左。

 ☆経歴 青森山田中時代には全国大会優勝2度、準優勝1回。高校では選手権に2年連続決勝進出も、ともに準優勝。1、2年と大会優秀選手。

 ☆好きな選手 イングランド代表MFフォーデン(マンチェスターC)。左足のキック、ドリブル、ゲームメークを参考に。好きなチームはマンチェスターC。

 ☆日本代表歴 U―15代表のフランス遠征ではRマドリード下部に所属している中井卓大とプレー。5月にはU―20代表候補に飛び級で選出された。

 ▽フランス1部リーグ(リーグ・アン) 1930年創設。UEFAランキングはイングランド、スペイン、イタリア、ドイツに続く5位で、欧州5大リーグの一角を占める。20チームで構成され、上位3チームが欧州CL出場権を獲得。最多優勝はサンテティエンヌの10回。昨季までパリSGが3連覇していたが、今季はリールが10季ぶり4度目の優勝を果たした。アフリカ系の選手が多いのも特徴で、フィジカル面の強さは欧州屈指。日本人選手は川島がストラスブール、DF長友佑都がマルセイユに所属。23~24シーズンからは18チーム制に移行する。

 ▽ストラスブール 本拠地はフランス北東部のストラスブールで創設は1906年。リーグ優勝1回(1978~1979)、フランス杯優勝3回を誇る古豪。11年に財政問題で5部に降格するも、17~18年シーズンに1部復帰。今季は11勝9分け18敗、勝ち点42で20チーム中15位。川島は18年8月から所属し、12日に2年の契約延長が発表された。チームカラーは青と白。指揮官はフランス人のティエリ・ロレイ監督(57)。ホームはスタッド・ドゥ・ラ・メノ(約2万9000人収容)。

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