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Jリーグ特任理事・播戸竜二氏の熱き思い 選手&現場の声を発信…Jを、サッカー界を良くしたい

[ 2020年5月19日 05:30 ]

現役時代の播戸氏
Photo By スポニチ

 元日本代表FWで、今年3月からJリーグ特任理事を務める播戸竜二氏(40)がオンラインで本紙のインタビューに応じた。昨年9月に引退。新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断している中、現在はNPB(日本野球機構)との合同によるコロナ対策連絡会議などにも出席している。選手や現場の気持ちを知る同氏が、現役時代と同様に熱く語った。

 
 ――今年3月、Jリーグ特任理事に就任されました。
 「2月のキックオフカンファレンスの後に、村井チェアマンから“今後、サッカーも含めていろんなことをやろうと思っている。また協力してね”と言われて、何でもやります、と答えた。そうしたら、その後に電話がかかってきて“実は特任理事をお願いしたい”と。Jリーグのために働けることは素直にうれしかった」

 ――NPBと合同での対策連絡会議にも出席している。
 「思うことがあれば発言するし“どうですか?”と聞かれれば、それに対して発言する。だから、事前にいろんなことを知っておかないといけないし、選手、現場の方々とも常に話をしておかないといけない」

 ――選手たちの声、不安を聞いてみて。
 「昔から知っている選手も多いし、そこから展開して(テレビ会議アプリ)Zoomの機能を使って座談会のようなことを話したり。例えば、コンディションの不安。お金の面では、基本給は入ってくるけど、勝利給のようなインセンティブは試合がないと入ってこない難しさがある。クラブ自体の存続、来季も自分が契約してもらえるのかという不安もある」

 ――選手の思いなどを会議で伝えている?
 「この間(11日)の会議では、再開前に選手全員がPCR検査を受けるのは難しいという話になった。検査できる数量の違いがあるとはいえ、ドイツやイタリア、スペインでは選手らが受けていて、専門家の先生たちは、リーグやプロ野球が国民の希望や娯楽といった面で重要な役割があると考えてくれている。日本の現状で全員が検査を受ける難しさは理解しているから発言するか迷ったけど、選手の気持ちが置き去りにされるのは嫌やった。だから、希望を与えるためリスクを背負ってやろうとしている選手たちに対して最低限、リスクを軽減させることは必要なんじゃないですか、と話をさせてもらった」

 ――再開に向けて。
 「再開後のJリーグが盛り上がるため、好きになってもらうために今、みんなで考えてやれることはいっぱいある。無観客から始まるかもしれないけど、どうすれば無観客でも見ている人に楽しんでもらえるのか、とかもね。トライし続けることで、結果として再開した時に“凄く良くなったね”ってなると思うから。自分も含めて、みんなでチャレンジしていきたい」

 ――最後に“播戸竜二”としての今後の目標を。
 「サッカー選手を辞めて、次の目標が見つけられなかった時はどうしよう、と思っていた。でもサッカー界を良くしたい、Jリーグをより良くしたい、という思いが自分の中であったし、いろんな決断や決定をするためには、それができる場所に行かないといけない。じゃあ、チェアマンを目指そう、と。村井チェアマンにも選手の時からそこのポジションに行きたいです、って言っていたから。だから“特任理事をさせてみようか”って村井さんが思ったかもしれない(笑い)。勉強することは山ほどあるし、たとえチェアマンになれへんかったとしても、それは大した問題じゃない。進むべき道を見つけて、設定したから、そこに向けて歩んでいっている。だから、今は楽しい。チャレンジやね」

 ▽Jリーグ特任理事 15人以上20人以内と決められた「理事」とは別に、14年から新たに設けられた役職。理事会に出席し、意見を述べ、質疑に応じることができる。議決権は有しない。現在は播戸氏のほか、日本サッカー協会技術委員長の反町康治氏らが務めている。

 ◆播戸 竜二(ばんど・りゅうじ)1979年(昭54)8月2日生まれ、兵庫県出身の40歳。琴丘高から98年に練習生としてG大阪に加入。その後は札幌、神戸、G大阪、C大阪、鳥栖、大宮、琉球に所属。Jリーグ通算396試合109得点。日本代表では国際Aマッチ7試合2得点。昨年9月に引退し、現在は解説なども行う。

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