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ジョホールバルの歓喜 延長後半13分「野人」岡野が歴史を変えた

[ 2020年5月16日 08:30 ]

97年11月、ジョホールバルでイランを下しW杯初出場を決めた岡田武史監督(右から3人目)ら日本代表
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 【Lega-scene あの名場面が、よみがえる。~サッカー編~】昭和、平成の名場面を本紙秘蔵写真で振り返る「Lega―scene(レガシーン)」。サッカー編の第5回は97年11月16日、マレーシア・ジョホールバルで行われた98年W杯フランス大会アジア第3代表決定戦。最終予選B組2位の日本は同A組2位のイランと死闘を演じた。2―2で90分間を終了し、延長戦に突入。延長後半13分、岡野雅行のゴールデンゴールで3―2の劇的勝利を収め、W杯初出場を決めた。

ゴールデンゴールを決めた岡野は
ベンチ目掛けて走りだした。

岡田武史監督がピッチに飛び出し
4年前、ドーハの悲劇を経験した
三浦知良、中山雅史も続く。
一瞬で塊ができた。
その中で岡野はもみくちゃになった。

ホーム&アウェーの最終予選は
2カ月で8試合を戦う過酷な旅。
道のりは険しかった。
1勝1分けで迎えた韓国戦で
屈辱の逆転負け。
満員の国立競技場で
日本は勢いを失った。

続く中央アジアでの2試合が
分水嶺になる。
カザフスタン戦は
終了間際の失点で痛恨の引き分け。
その夜、敵地アルマトイで
加茂周監督が解任され
岡田コーチが後を継いだ。

新指揮官の初陣
ウズベキスタン戦は
0―1の終了間際に1点を返し
九死に一生を得た。
ホームUAE戦も勝利を逃し
3試合連続ドロー。
試合後にはサポーターの暴動が起きた。
それでも終盤2連勝し生き残った。

イラン戦も死闘だった。
最終予選の途中で
代表復帰した中山が先制。
後半逆転されたが
途中出場した城彰二の
ヘディング弾で追いつき
延長開始から投入された
最終予選初出場の
岡野が決着をつけた。
文字通り総力戦で歴史を変えた。


 《岡ちゃん大胆采配》1面には「攻めて攻めて攻め抜いた」の見出しが躍る。イラン戦では岡田監督の攻撃的で大胆な采配が次々と的中した。1―0で折り返しながら後半2点を失い逆転された後、カズ、中山の2トップを同時に下げて城、呂比須ワグナーを送り出した。すると城が同点ゴールを決めて、呂比須は決勝点に絡んだ。岡野を投入した延長開始前には選手に「岡野を出して勝負を決める」と予言していた。最終面では、就任から43日で偉業を成し遂げた指揮官を「奇跡の名将」と称えている。

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