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ハリル氏 日本にエールも…協会2トップと“2選手”へ恨み節

[ 2018年4月28日 05:30 ]

厳しい表情で解任への不満をぶつけたハリルホジッチ前日本代表監督
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 日本代表監督を電撃解任されたバヒド・ハリルホジッチ氏(65)が27日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見を開いた。日本協会の田嶋幸三会長(60)、ハリル政権下で技術委員長を務めた日本代表の西野朗監督(63)に対する批判を展開。個人名を避けながら影響力のある2選手の不満が解任の一因になったとの見解も示した。一方で大半の選手とは良好な関係を築いていたことを強調。6月14日開幕のW杯での日本代表にエールも送った。 日本代表日程

 批判の矛先は日本協会の“2トップ”に向いた。会見は予定の1時間を大幅に超える約1時間30分。ハリルホジッチ監督は「事前に誰も何も教えてくれなかった。田嶋会長には前もって“問題がある”とおっしゃってほしかった。技術委員会がたくさん修正を試みたと言っていたが、私は技術委員会の存在すら知らなかった。西野さんとのコミュニケーションは少なかったかもしれない。あまり多くを語らない人で、練習後にはいつも“良かった”と言ってくれていた」と指摘した。

 田嶋会長から説明された解任理由は「選手との信頼関係が薄らいだ」だったが、指揮官は皮肉にも協会側とコミュニケーション不足に陥っていたことを強調。任を解かれた後に槙野、丹羽ら15人超の選手から感謝の意を伝えられたことを明かし、会見ではメッセージも読み上げた。その上で「2月には長谷部、(川島)永嗣、吉田、長友のベテランと会い、コミュニケーションの問題はなかった」と大半の選手と良好な関係を築いていたとの認識を示した。

 一方で「不満を漏らしていた選手は2人でしょうか?」と意味深発言もあった。個人名は避けたものの、影響力を持つ2選手が“クーデター”を起こしたとの情報を得ていることを示唆。「23人を選ぶことはたくさんの軋轢(あつれき)を生む。W杯出場を決めた(17年8月31日)オーストラリア戦の後ですら、2人の選手は試合に出なかったのでがっかりしていた。その前は何試合も出ていたので」とも付け加えた。2月に対話したベテラン勢の中に本田、香川の名前はない。2人はオーストラリア戦にベンチ入りしたが、出場機会がなかった。

 アルジェリアを率いて16強進出した14年ブラジル大会に続く、2大会連続のW杯出場の夢はついえた。「W杯でどこまで行けるのかワクワクしていたところ」と残念がりながら「私は永遠の日本サポーター。日本への忠誠心は変わらない。ガンバッテクダサイ」とW杯で侍ブルーを応援することを約束した。予定の1時間を大幅に上回る90分もの間、語り続けた前指揮官。最後まで日本をリスペクトする姿勢は崩さず、自らの尊厳を守った。

 ◆バヒド・ハリルホジッチ 1952年5月15日生まれ、旧ユーゴスラビアのヤブラニツァ(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)出身の65歳。現役時代はFWとしてナントなどに在籍。ユーゴスラビア代表として82年W杯スペイン大会に出場。95年にフランス国籍を取得。リールを率いた01年にリーグ年間最優秀監督を受賞。14年W杯ブラジル大会ではアルジェリア代表を初の16強に導く。ハリルジャパン通算成績は38試合21勝9分け8敗。1メートル82、80キロ。

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