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ベストの18人だったのか 「最低でもJ1レギュラークラス」の選手が必要

[ 2016年8月11日 13:00 ]

川本氏がOA枠候補に挙げたDF長友佑都(左)とMF中村憲剛

リオ五輪男子サッカー・1次リーグB組 日本1―0スウェーデン

(8月10日 サルバドル)
 リオデジャネイロ五輪のサッカー男子は10日(日本時間11日)、1次リーグ各組の最終戦が行われ、日本はスウェーデン相手に1―0で大会初勝利を挙げたもののB組3位に終わり、1次リーグ敗退が決まった。スポニチ本紙評論家の川本治氏(64)は、18人のメンバー選考について「そもそもこれで良かったのか」と問題を提起した。

 「本気でメダル獲得を目指すならば、限りなくA代表に近い選手、最低でもJ1のレギュラークラスを最低条件にしないと世界では戦えない」。キックオフのわずか7時間前にブラジル入りしたナイジェリアにまさかの5失点スタートとなった初戦では、鹿島で今季リーグ戦出場のない櫛引を先発GKに起用。失点がすべてGKの責任ではないものの、試合勘の乏しさを露呈する場面が散見された。五輪予選でセンターバックのレギュラーだった岩波(神戸)は怪我明けで何とかメンバーに滑り込んだが、五輪では出場機会なし。さら24歳以上のにオーバーエージ(OA)枠で選出された塩谷(広島)、藤春(G大阪)、興梠(浦和)の3人がチームに合流したのは本大会直前だった。

 4枚のDFラインのうち2人がOA選手とあって、U―23世代との連係不足が初戦の5失点にもつながった。「本大会だけポーンと入って、チームとしていきなり機能できるのか」と川本氏。選手のクオリティーについても「OA選手については、クラブが応じるかどうかはわからないが長友(インテル)にオファーしても良かった。または、キャプテンシーも含め中村憲剛(川崎F)でも良かった。他国はキャプテンシーのある選手をOA選手に選んでいた」とし、「育成第一でいくならば、OA選手を招集しないという手もあった」と疑問を呈した。

 ◇川本 治(かわもと・おさむ)1952年(昭27)5月1日、北海道釧路市生まれの64歳。室蘭清水ヶ丘高校2年までGKを務め、中央大進学後以降はFWに転向。古河電工(現J2千葉)では9シーズンに渡ってプレーし、引退後はコーチ、監督、強化部長など要職を歴任した。現在は日本代表戦のほか、カテゴリーを問わずスタジアムに数多く足を運び、誠実な人柄で選手や関係者からの信頼も厚い。

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2016年8月11日のニュース