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チェゼーナGKファンティーニ燦、トップチームでデビューの可能性

[ 2016年8月11日 19:53 ]

11日付のチェゼーナ地元紙で大きく取り上げられたファンティーニ燦

 2020年の東京五輪世代で、チェゼーナU―19に所属するGKファンティーニ燦(あきら、18)が、16~17シーズンでトップチームデビューを果たす可能性が出てきた。第3GKとしてトップチームに登録され、背番号30を与えられた。

 9日にチェゼーナの中心街で行われたティフォージ(ファン)への新チームお披露目には、他のトップチームの選手ともに壇上に上がり、地元メディアからの取材も受けたファンティーニは「今後のことは分からないけど、今はトップチームの第3GKとして帯同している。アントニオーリ(元イタリア代表のGKコーチ)、(第1、2GKの)アガッツィ、アリアルディからは多くのことを学んでいる」と現状を語った。

 ファンティーニは12歳の時に父の生まれ故郷にあるチェゼーナの入団テストに合格。めきめきと頭角を現し、14~15シーズンはインテル、ACミランも属するアリエービ(日本のU―16)全国リーグで4強入りに貢献するなど活躍し、昨季からユースへ昇格。昨季のユースチームには4人のGKが所属し、その中でもっとも若かったファンティーニは第4GKでシーズンをスタートしたが、徐々に真価を発揮し、最終的にレギュラーポジションを獲得。終わってみれば、全24試合中7試合に先発として出場した。

 イタリアのユース年代は、1シーズン毎にふるいにかけられる厳しい世界。だが、昨季17歳でトップチームに初招集されるなど成長を遂げたファンティーニは高い評価を得て、今季はU―19の正守護神としての活躍が期待される中、新シーズンに向けた夏合宿ではここまで常にトップチームに帯同。元U21イタリア代表GKフェデリコ・アリアルディ(33)、本田の所属するACミランから加入したミカエル・アガッツィ(33)に次ぐ第3GKとして登録され、かつて元日本代表MF中田英寿氏とともにローマのリーグ優勝に貢献した元イタリア代表GKのアントニオーリGKコーチ、さらには両ベテランGKから多くのことを学んでいるようだ。

 昨季も第3GKとして1度、トップチームに招集されたファンティーニだが、今季は両ベテランGKのいずれかがケガなどで欠場した場合には、トップチームの公式戦でのベンチ入りの可能性があるほか、ともに欠場した場合などにはデビューする可能性が出てきた。

 最大の武器は日本人特有の俊敏性で、過去にはインテル・ミラノが獲得に興味を示すなどイタリア国内での評価も高まっている。休暇で日本に滞在した6月13~18日にはFC東京の練習に参加した。11日付のチェゼーナ地元紙でも大きく取り上げられたファンティーニは、「僕はイタリア人GKが好き。中でもペリン(ジェノアのイタリア代表GK)、シリグ(パリSGのイタリア代表GK)が好き」と話し、今後の飛躍を誓っている。
 
 ◆ファンティーニ燦(あきら) 1998年5月24日、千葉県生まれの18歳。イタリア人の父と日本人の母を持ち、日本名は大村燦。12歳でチェゼーナの下部組織に入団。昨季はU―19で活躍した。1メートル82、78キロ。

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2016年8月11日のニュース