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柏木満点ゲームメーク 待望の左利きボランチ、出し入れ自在

[ 2015年11月13日 06:50 ]

<シンガポール・日本>後半、ゴールを狙う柏木

W杯アジア2次予選E組 日本3―0シンガポール

(11月12日 シンガポール)
 期待のレフティーが、攻撃を操った。ダブルボランチの左で先発した柏木は、長短織り交ぜたパスで引いて守る相手を翻弄(ほんろう)。中央でのキープから両サイドへの巧みな展開力が光った。「自然に今の代表に入れた。バタバタしなかった。自分の中ではできた」。前半から本田の足元へ鋭いパスを送り、後半32分には惜しいミドルシュートを放つ積極性も見せた。プレースキッカーも任され後半42分に蹴った右CKでは吉田に合わせ、3点目に絡んだ。

 10月の中東遠征で代表復帰。同月13日の親善試合イラン戦で12年2月のアイスランド戦以来3年8カ月ぶりに国際Aマッチの舞台に立った。「前回は練習からアピールして、代表に残ることが目標だった」。ピッチ内外での一挙手一投足に神経をすり減らし、帰国後は「疲れがどっと出た」と苦笑いした。今回のメンバーに選ばれると「次は試合に出ることが目標。自信もある」と切り替えた。ハリル体制初の先発抜てきに応え、指揮官も「ビルドアップでバリエーションをつくってくれた」と目尻を下げた。

 11年アジア杯優勝を経験する司令塔だが、W杯ブラジル大会メンバーから落選。「4年後、俺はボランチでW杯に出る」と出直しを誓った。高い技術と戦術眼を生かすため、昨季から浦和で1列下がるボランチに本格チャレンジ。「僕にとって(ロシアが)最後の大会だと思っている」。虎視眈々(たんたん)と、この時を待っていた。

 「相手が相手なので、満足していない」。引いて守る格下に持ち味は出したが、中盤の攻防が激しくなる互角以上の相手にはフィジカル面で不安もある。クリアすべき課題はあるが、柏木が代表定着への足場を築いた。

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2015年11月13日のニュース