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本田 イランとドローに危機感 日本再生へ“3本の矢”提言

[ 2015年10月15日 05:30 ]

イラン戦を終えて宿舎を後にする本田

国際親善試合 日本1―1イラン

(10月13日 イラン・アザディスタジアム)
 停滞ムードが充満したイラン戦を終え、本田は日本の現状を冷静に見つめていた。アジアの強敵に圧倒され、後半3分にクロスで武藤の同点ゴールを演出したが、勝ちきれなかった。「日本が急激にサッカーのレベルをここ20年で上げてきて、上げてくればくるほど、経済と一緒で伸びにくくなる」。口をついたのは危機感だった。

 慣れない気候とピッチに、日本は後手に回った。「こういう環境に自分自身で身を置くことで慣れていく。それがスタンダードに、選手それぞれの感覚になっていくのがいい。もっと若い選手は海外に出て行くべき」。本田自身、21歳でオランダに新天地を求めたからこそ、その必要性を訴えた。

 しかし、国内リーグの弱体化は代表の劣化につながる。14年W杯ブラジル大会を制したドイツにはバイエルンM、10年南ア大会優勝のスペインにはバルセロナという名門が存在する。「Jリーグがさらに力を付けていかないといけない。(若手の海外挑戦と)その両方を並行していかないといけない」と、国内組の底上げを強調した。

 さらに、個人のレベルアップにも言及した。例えば柴崎だ。体格差のあるイラン選手に球際で負けたが、本田は「岳(柴崎)がパワーをつける必要はない」と指摘した。「イニエスタは球際に強くない。でもそうならない強さがある。プレッシャーをいなせる形を身につければいい」。弱点を補うより、長所をより発揮しやすくする。それが本田の考えだった。

 「伸び率は下がりつつも、ちょっとでも伸びていく中期計画、中長期計画が日本のサッカー全体に求められている。考え方やアプローチを変えていかないと」。ACミランで過激発言をした本田が、今度は代表にも警鐘を鳴らした。

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2015年10月15日のニュース