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和製ノイアーだ!浦和GK西川、仮想特訓で宇佐美封じた

[ 2015年5月3日 05:30 ]

<浦和・G大阪>後半、G大阪・宇佐美(中)のチェースを受けながらクリアする浦和・西川(右)

J1第1S第9節 浦和1―0G大阪

(5月2日 埼玉)
 予測するより早く体が反応した。後半ロスタイムだ。GK西川は勢い良く右へ飛んだ。トラップから間髪おかず放たれたG大阪FW宇佐美のシュートをブロックした。「(宇佐美は)普通の選手が打たないタイミングで打って来る。そういう意識で待っていた」と西川。後半39分にズラタンがようやくもぎ取った1点を守り切り、6戦連発中だった相手エースを封じ込めた。

 宇佐美を仮想した特訓の成果だった。実は前日、土田GKコーチの発案で、トラップから瞬時に放たれるシュートへの反応、ストップ練習を繰り返していた。「ああいう練習をしていて良かったと思う。(宇佐美が)注目されていたし、逆に浦和をアピールするチャンスだと思ってた」。周到な準備が実り、してやったりだった。

 後半31分には伸ばした左手の指先が失点を防いだ。相手MF遠藤に与えたFK。鋭く落ちる弾道を読み切った。コースをわずかに変え、バーに直撃させた。「ヤットさん(遠藤)の助走が縦に入って来たので縦回転で来ると思った。代表での経験が生きた」。宇佐美のシュートストップが特訓の成果なら、こちらは日本代表で練習を共有してきた経験と読み。特徴を見抜いていた。

 浦和では日頃からバイエルンMの映像を参考にする。DF槙野は西川を世界的GKになぞらえた。「うちには和製ノイアーが、11人目のリベロが後ろにいる。頼もしい限り」。序盤から素早いパス交換で宇佐美を守備に走らせた。体力を消耗させたことが終盤の堅守につながった。昨年11月の対戦(●0―2)、2月の富士ゼロックス・スーパー杯(●0―2)で喫した失点は全てが後半20分以降だ。苦い経験を無駄にしなかった。

 ホームでG大阪に勝ったのは初優勝した06年12月以来。その間3分け4敗という屈辱も過去に葬り、いよいよVロードに突入。赤い悪魔が独走態勢に入った。

 ≪V逸の不敗ジンクス破るか≫ 浦和が2位G大阪との“天王山”に1―0勝利。これで開幕から9戦不敗(7勝2分け)とし、首位を守った。2シーズン制の第2ステージを含めて開幕戦から9試合以上負けなしはJ1史上延べ8チーム目。浦和は02年第2ステージに続いて2度目のことだ。ただし、9戦不敗を続けた過去の7チームはシーズン、ステージともに最終的に優勝できていない。浦和が不敗をどこまで継続し、第1ステージを制覇できるのか注目だ。

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