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浦和 ズラタン弾で開幕9戦無敗堅首!天王山でG大阪撃破

[ 2015年5月3日 05:30 ]

<浦和・G大阪>G大阪に勝利し、肩を組んで「We Are Diamonds」を歌う浦和イレブン

J1第1S第9節 浦和1―0G大阪

(5月2日 埼玉)
 ホーム初得点は、値千金の一撃だ。浦和は2位G大阪を1―0で下し、4連勝で首位をキープした。後半39分、今季から加入した元スロベニア代表FWズラタン・リュビヤンキッチ(31)が4月29日の甲府戦に続き今季3点目となる決勝点を決めた。初優勝した06年を最後にホームで勝てなかった宿敵を叩き、ファーストステージ優勝へ大きく前進。開幕9戦負けなしは、06年を抜いてクラブ新記録となった。

 ズラタンが、因縁の相手に引導を渡した。0―0の後半39分。李、武藤を経由したボールを宇賀神が左クロスを上げる。ニアサイドに阿部が詰め、中央にできたスペースに陣取ったズラタンは、右足で落ち着いてネットを揺らした。「大きな意味をもたらすゴール。僕は特別なことをしていないよ。ペナルティーエリア内に5人は詰めていた。それが素晴らしい」。東西の雄が激突した頂上決戦で決めたホーム初得点。勝ち点1差の宿敵をふるい落とし、ど派手なガッツポーズだ。

 冷静さを保った。ホームでのG大阪戦は、初優勝した06年を最後に3分け4敗と勝てなかった。勝てば優勝の決まった昨年11月は0―2で黒星を喫しており、味方選手もリベンジに懸ける思いは強かった。「冷静さを保つことが鍵だった」。相手の堅守に苦戦し、前半44分にゴール前での決定機でシュートを外した。だが、緊張の糸は切れなかった。「過去に勝てていなくて、大きなプレッシャーがあったのは現実。その雰囲気で勝ち点3を取れたのは大きな収穫」。06年のホーム戦では超強力助っ人のワシントンが決勝弾。そのワシントンもつけた背番号21が、9年ぶりの本拠地白星をもたらした。

 手向けのゴールにもなった。ロケレン(ベルギー)に所属する元U―21ベルギー代表DFグレゴリー・メルテンスさん(享年24)が4月27日の試合中に心肺停止となり、昏睡(こんすい)状態のまま30日に息を引き取った。大宮に移籍する前に在籍したヘント(ベルギー)時代の2年間、ともにプレーした後輩だった。「朝起きてニュースで知った。彼には思い入れがあったから凄いショック。彼のためのゴールを、と心に決めていた」。連戦の疲れはもちろんあったが、天国にゴールを届けたかった。「これから安らかに眠ってほしい」。今季最多5万3148人が詰めかけた一戦。試合後の「We are Diamonds」の大合唱は、亡き後輩へのレクイエムにもなった。

 甲府戦に続く2戦連発で、チームは開幕9戦負けなし。ズラタンはヒーローインタビューで堂々宣言した。「過去のことは忘れて、新しい未来を一緒につくっていこう」。粋すぎるコメントは、9年ぶりの頂点を期待するのに十分だった。

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