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コートジ代表カルー、ハリル氏は「サッカー熱にとりつかれた人」

[ 2015年3月11日 09:29 ]

2008年5月23日、コートジボワール代表イレブンに指示を与えるハリルホジッチ監督(右から3人目)

 12日の日本サッカー協会理事会で日本代表監督に正式就任するバヒド・ハリルホジッチ氏(62)について、ヘルタのコートジボワール代表FWサロモン・カルー(29)がインタビューに応じた。08年5月~10年2月に同国代表を率い、“コーチ・バイド”の愛称で親しまれたハリルホジッチ氏の下でプレー。同氏のことを熟知し、昨年のW杯ブラジル大会では日本とも対戦した男が新指揮官の特徴を明かした。

 ――ハリルホジッチ氏の日本代表監督就任が内定した。どう思う?

 カルー「(ヘルタの)チームメートの細貝萌からも、もう同じことを聞かれたよ(笑い)。バイド(注1)は非常に厳格な人で、原則の話になると厳しくもなる。でも人間的には素晴らしいんだよ。僕らは彼と大いに笑って、ふざけ合ったものさ。彼はね、極めてプロフェッショナルで、極めてパッショネ(フランス語でサッカー熱にとりつかれた人)。厳格さに欠けていたコートジボワール代表で、それを付与することに成功したんだ。おかげで僕らは10年アフリカ選手権の準々決勝でアルジェリアに負けただけで、それ以外は負けなしだった(注2)。その負けも特殊な状況のせいだったんだよ(注3)。彼は、たった1回の敗戦で解任されてしまったんだ。2年間、僕らと全ての努力をしてきたのに」

  ――彼は本当に厳しい人なのか。

 「ピッチ上では高い要求を突きつける。でもピッチ外では違うね。たとえトレーニング一つでも、こと仕事となると、とことん打ち込むんだな。徹底的にその時を生きる。だから膨大なエネルギーを費やして、選手たちと同じくらい疲れきってトレーニングを終了する」

 ――具体的には選手に何を要求するのか。

 「巨大な集中力、微細にわたるコレクティブ(組織的)な努力、ディフェンス面の努力などを特に求めてくる。グループという概念に巨大なリスペクトを払うんだ。彼の論理の中では、グループの概念が個の概念より優先されなければならない。果敢に攻撃してもらいたいが、同時に全員で結束して守備をしてほしいと思っている。この点は曖昧にしない。もし何人かが個人的に輝いてみせようなんて思ったら、おふざけじゃ済まないね。この面では非常に厳格だ。しかも彼は選手たちに“勝利の精神”を叩き込む。僕らとやった時は本当に根源的な仕事を機能させたと言っていい」

 ◆サロモン・カルー 1985年8月5日、コートジボワール・オウメ生まれの29歳。地元クラブから03年にフェイエノールトへ移籍。04年にエクセルシオールへレンタル移籍。フェイエノールト復帰後、06年にチェルシー、12年にリール、14年にヘルタへ移籍。04~05年にオランダ若手最優秀選手、08~09年にアフリカ年間最優秀若手選手。オランダ国籍取得が認められず、07年にコートジボワール代表入り。W杯出場2回など国際Aマッチ通算75試合27得点。1メートル84、77キロ。

 ※注1=フランス語でバヒド(Vahid)は「バイド」と発音。

 ※注2=延長戦で2―3の惜敗。予選無敗で10年W杯南アフリカ大会出場権獲得など就任期間の公式戦は1敗。

 ※注3=開幕直前、トーゴが開催国アンゴラをバス移動中に武装勢力の攻撃を受け、選手やスタッフ10人が死傷。政府に出場辞退を命じられ、コートジボワールの選手たちもショックを受けた。

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