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宇佐美2発!G大阪3冠 00年鹿島以来、昇格初年度は史上初

[ 2014年12月14日 05:30 ]

<G大阪・山形>史上2チーム目の3冠!天皇杯を掲げ喜ぶ遠藤(中央)らG大阪イレブン

天皇杯決勝 G大阪3―1山形

(12月13日 日産ス)
 エースが今季最後の大一番で輝き、3冠に導いた。天皇杯決勝が13日、日産スタジアムで行われ、G大阪はFW宇佐美貴史(22)が2得点1アシストと全得点に絡む活躍で、来季J1昇格を決めているJ2山形に3―1と完勝。前身の松下電器時代を含め5大会ぶり4度目の優勝を果たした。リーグ戦、ナビスコ杯と合わせた3冠は00年度の鹿島以来2クラブ目。J1昇格初年度で偉業を成し遂げた。
【試合結果】

 最高のシーズンを締めくくったのは、やはり宇佐美だった。3冠達成を告げるホイッスルを聞くと、ピッチにひざまずいてから仰向けになった。最後の試合に全精力を注ぎ込み「最後の一つも、しっかり獲れて良かった」と充実感を漂わせた。

 ワンマンショーの始まりは前半4分だった。パトリックが落としたボールを振り向きざまにシュート。GKにはじかれたが、こぼれ球を冷静に流し込んだ。22分にはDFを振り切りパトリックのゴールをアシスト。1点を返されて迎えた後半40分には豪快に右足を振り抜き、天皇杯の得点ランク首位タイとなる6点目で粘る山形に引導を渡した。今季公式戦は通算21点で、個人ゴール数は単独トップとなった。

 ナビスコ杯、リーグ戦とも、優勝を決めた試合では無得点。最後のタイトルは自分の得点で決めると燃えていた。思い通りの結果を残し「大舞台で取れていなかったのは自分らしくなかった。ようやく“らしさ”が出せたかな」と胸を張った。

 エースの自覚を見せ続けた一年だった。7試合無得点などゴールが遠かった時期は、足首などに痛みを抱えながらプレー。それでも「大丈夫」と言い訳にしなかった。分厚いテーピングを見られないよう、普段は立ち話で対応するところを車に乗り込んで対応したこともあった。「素晴らしい選手がそろっているガンバで先発を任される以上は責任がある」。結果を背負い込み、自らにプレッシャーをかけ続けた一年は最高の形で結実した。

 3冠の余韻に浸る間もなく視線は前を向く。まずは来年1月にアジア杯に挑む日本代表入りだ。「そこは何とも言えない。自信はない」と控えめだが、この日は自らも課題と認めるハードワークを見せて貢献。視察に訪れた日本代表のアギーレ監督にメンバー発表前の“ラストインパクト”を植え付けた。

 ACLも控える15年シーズンを「常勝軍団であり続けるためにも大事」と位置づける。「チームとしては良かったけど個人としてはまだまだ」。さらなる進化を誓ったエース。来季も絶対王者の中心に君臨する。

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