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村井チェアマン 人間としての力でレベルを上げないと世界で勝てない

[ 2014年12月14日 13:55 ]

日本のサッカーや地域の発展について熱く語った村井チェアマン

 【村井チェアマンに聞く(3)】

 ――若手Jリーガーが海外へ移籍する流れも加速している。

 アギーレ監督がJリーグの新しい選手を次々に日本代表に呼んでくれているが、そもそも日本人選手が海外クラブから声がかからない様では困る。今、海外で活躍している選手は全員Jリーグ出身。世界で通用する選手を育てることを、もっとスピードアップしてやればいい。そして、世界でレギュラーを取った人が日本に戻って来て、各地に散るのはすごく意味がある。世界にどんどん出て行き、戻ってくる循環の中にJリーグがあって、そのスピードに負けないように育てていきたい。

 止める、蹴る、奪う、運ぶ…。サッカーは技術だけでは世界で勝てない。相手を観察し、分析し、意思決定し、選手に伝え、結束してやりきり、また修正する。考える力、観察力、判断力、伝える力など、人間としての力でレベルを上げないと勝てないことがよくわかった。

 ――J1からJ3まで51クラブすべてを訪問した。いろいろな事を肌で感じたのでは。

 同じJクラブでも、文化や風土がまったく違う。クラブハウスが整理整頓されているところもあれば、そうでないところもある。サポーターとの距離感も、ホームタウン活動も、地域での愛され方も違う。9月28日に群馬へ行く前に、浦和の大原練習場へアポなしで行った。試合翌日でクールダウンだけだったが、選手は全員、私と目を合わせてあいさつしてくれた。クラブの雰囲気はすごくいい。実際に会ってみれば、礼儀正しく、フレンドリーで明るいクラブだとよくわかった。

 クラブハウスがないチーム、河川敷で練習しているところもあった。つきつめればJリーグは中小企業の集団、中小企業は人による。社長やGMの手腕に負うわけで、年数がたてばクラブが繁栄するのではなく、経営人材や指導者、スタッフらのレベルが上がらないとクラブは繁栄しない。アイデアと意志で確実に成長しているクラブもある。むしろ人材面の成長に期待したいし、これも来年以降のテーマだと考えている。

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2014年12月14日のニュース