×

ネイマール復帰即魅せた2発!鮮やかループ&ノールックヒール

[ 2014年8月20日 05:30 ]

<バルセロナ・レオン>前半12分、華麗なループシュートを決めるネイマール(AP)

 悲劇のエースが復活した。バルセロナは18日、親善試合「ジョアン・ガンペール杯」でレオン(メキシコ)に6―0と大勝。W杯ブラジル大会で第3腰椎骨折の重傷を負ったブラジル代表FWネイマール(22)が先発で実戦復帰を果たし、いきなり2ゴールをマークした。また、W杯の“噛(か)みつき事件”で4カ月の出場停止処分を受けながら、公式戦以外の活動が認められたウルグアイ代表FWルイス・スアレス(27)も移籍後初出場した。

 試合を終えたネイマールは、自身のインスタグラム(写真共有アプリ)にこう書き込んだ。「チームメートとともにピッチに戻ってこられてうれしい。全てを神に感謝したい」。7月4日のW杯準々決勝コロンビア戦で腰椎を骨折して以来、1カ月半ぶりの実戦。しかも、いきなり2ゴールの鮮やかな復活劇だった。

 本拠カンプノウを埋めた7万2475人の大観衆から万雷の拍手で迎えられると、前半3分に左サイドからのクロスでFWメッシの先制ゴールを演出。12分にはMFイニエスタのスルーパスに抜け出し、飛び出してきた相手GKの眼前でダイレクトにフワリと浮かせる右足ループシュートを決めた。44分にはメッシとのパス交換から相手クリアミスを左足で押し込み、GKがはじいたボールをゴールに背を向けて右ヒールで流し入れる2点目。前半だけで交代したが、技ありの2発で得点感覚が鈍っていないことを証明した。

 優勝を義務づけられ、エースの重圧を背負った自国開催のW杯は悲劇で終わった。5試合で4得点を挙げながら準々決勝コロンビア戦でDFスニガの膝蹴りを背に受けて倒れ、担架で退場。腰椎骨折で全治4週間と診断され、会見では「(負傷箇所が)2センチ上にずれていたら車椅子に乗っていたかも」と涙を流した。

 ネイマールを欠いたブラジルは準決勝と3位決定戦で惨敗。さらにショックを受けたが、大会中にバルセロナのチームドクターが自宅を訪れて復帰への道のりを確認。スポンサー契約のため1泊2日で来日するなど多忙なスケジュールをこなしながら「まずはピッチへ戻ることが夢」とリハビリに取り組み、今月5日に練習再開、13日には全体練習合流と順調に復活の階段を上ってきた。

 昨季加入したバルセロナではケガにも泣き、26試合9得点。チームも主要タイトル無冠に終わったが、今季開幕直前でベストメンバーを並べたルイス・エンリケ新監督は「ネイマールはいいプレーを見せた。このチームはもの凄い潜在能力を秘めている」と手応えを口にした。エルチェとのリーグ初戦は24日。ネイマールにとって、悔し涙を感激の涙に変えるためのシーズンが始まる。

続きを表示

この記事のフォト

2014年8月20日のニュース