×

東京V、永井獲得で2年2000万円の収入も自転車操業変わらず

[ 2014年4月7日 14:33 ]

東京V入りが発表された永井秀樹

 J2東京Vが7日、昨季までJFL琉球でプレーしていたMF永井秀樹(43)の獲得を発表した。

 永井の獲得を決めた羽生英之社長(50)は、永井加入の発表と同時にクラブの公式サイトで異例の声明を発表。「永井選手本人から『ヴェルディのユニホームを着て現役を終えたい、たとえ無償でもプレーしたい』との熱い要望があり、クラブとして検討し、三浦監督と相談した結果、同選手の希望を尊重し、このチームに加わってもらう事になりました」と説明したが、最大の要因は永井の加入を条件としたスポンサーの獲得にある。永井の加入により2年総額2000万円のスポンサー料が入る予定で、永井に支払う400万円の今季年俸を引いた1600万円がクラブに入る計算だ。

 Jリーグ元年の1993年から2年連続で年間王者に輝くなど、かつては日本サッカー界の頂点に君臨した東京Vだが、日本テレビが経営から撤退した2009年秋からは深刻な経営難に陥ると同時に低迷が続いている。10年にJリーグ事務局長から転身した羽生社長は、毎年のように複数の若手選手を他クラブに売却し、育成費や移籍金(違約金)を得ることで何とか黒字化させていたが、13年度はついに赤字に転落。増資などで債務超過に陥ることは免れたが、経営危機は依然として続いている。

 選手の年俸も一部を除いて240万円から480万円が中心。その一方で13年に招へいした三浦泰年監督(48)は年俸2500万円の3年契約、羽生社長の報酬もクラブ関係者によると年間1500万円近いと言われており、クラブ内には不公平感が広がっている。

 永井の獲得を条件としたスポンサーの獲得は一時しのぎにはなるだろう。だが、自転車操業は変わらず、根本的な解決策にはならない。4月末に開かれる株主総会で羽生社長や三浦監督の責任が追及されるのは避けられない状況で、かつて栄華を誇ったヴェルディの「誇り」は完全に色を失った。(金額はすべて推定)。

続きを表示

2014年4月7日のニュース