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星稜 4発快勝で本田超え!決勝は史上初の北陸対決に

[ 2014年1月12日 05:30 ]

<星稜・京都橘>後半7分、星稜・寺村(10)がPKを決め、キャプテンマークを応援席に掲げる

 第92回全国高校サッカー選手権は11日、東京・国立競技場で準決勝2試合が行われ、ACミランに加入した日本代表MF本田圭佑の母校・星稜(石川)が初の決勝進出を決めた。名古屋入りが決定しているFW小屋松知哉(3年)を擁する昨年準優勝の京都橘(京都)相手に、主将のMF寺村介(3年)の得点などで4―0と圧勝。富山第一(富山)と四日市中央工(三重)の一戦は2―2でPK戦に突入したが、“PK職人”GK田子真太郎(3年)のセーブで、富山第一が県勢初の決勝進出を果たした。史上初の北陸対決となる決勝は13日に国立競技場で開催される。

【試合結果 トーナメント表】

 正真正銘の本田超えを果たした。過去に2度はね返された国立の舞台で、ついに鬼門を突破。初の決勝進出を決めた河崎監督は「国立で勝ったことがないので時間が長くて仕方なかった。試合を見てられなくて、もし近くに漫画の本があれば、それを読んでいたかった」と4発圧勝にも気が気でなかったことを明かした。

 試合の流れを決めたのはACミランの本田が高校時代につけていた背番号10を受け継いだMF寺村主将だった。1点リードの後半7分、ペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得。「ヨッシャーと思った。落ち着いて決めるだけだった」と冷静に右隅に流し込んだ。得点後は左腕に巻いた主将マークを外して応援団が待つスタンドへ一直線。マークには3年生部員42人全員の名前が入っており「みんなで戦っているのを見せたかった」と部員全員の思いを乗せた一撃だった。

 もともとは三重県出身。四日市中央工は家から10分ほどの場所にある。越境入学したのは、中学時代の恩師と河崎監督が親しい仲だったことに加え、あえて自分を厳しい境遇に置くためだった。観戦に訪れた兄・仁さん(20)は「環境を変えた方がいいと言って、自分で星稜進学を決めてきた」と説明した。本田もつけた10番を背負うことは、重圧になるはずだが、父・祐一さん(45)は、昨年10番を渡された時のことについて「ラッキーって言っていました」と明かした。寺村も「意識したことはない」という。自分で考えて行動し、重圧も重圧と思わない精神的な強さなど、9年前に10番をつけた偉大な先輩と酷似する点が多い。

 改修前最後の国立決勝を前に河崎監督は「地味なカードで申し訳ない」と恐縮した。だが、相手の富山第一とは連動して95年に中日本スーパーリーグを立ち上げるなど、北陸のサッカー発展に尽力してきた。「こういう日が来ることを夢見ていた」と指揮官。あとは優勝旗を石川県に持って帰るだけだ。

 ≪両校初決勝は選手権史上初≫都道府県別で見ると富山、石川両県ともに選手権は初の決勝進出。昨年の宮崎(鵬翔)も初だったが、決勝対決の両県がともに初めては第1回大会を除くと選手権史上初だ。また、ともに北信越地区(新潟、長野、富山、石川、福井)に属するが、同地区は過去に選手権ではベスト4が延べ6校、ベスト8が延べ4校で、唯一決勝進出校が1校もない地区だったが、いきなり決勝直接対決となった。

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