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問題発言の市長と広島和解 「心底優勝してほしかった」

[ 2013年12月13日 05:30 ]

松井広島市長(中央)の祝辞を笑顔で聞く広島・森保監督(右)

 劇的な逆転でJ1連覇を果たした広島の優勝祝賀会が12日、広島市内のホテルであり、リーグ最終節を前に「サンフレッチェは2位でいい」と発言した松井一実広島市長(60)が監督や選手らに直接、謝罪した。森保一監督(45)以下、選手らも笑顔を見せるなど、祝賀会らしい穏やかな雰囲気で“和解”した。

 連覇を祝う華やかな場だけに“雪解けムード”が漂った。監督や選手らと同じ壇上に上った松井市長は「ちまたの噂の震源地です。また地震を起こしてはいけないのでメッセージを読み上げます」と自虐的あいさつ。書面を取り出し「発言でお騒がせし、小谷野社長はじめ監督、選手、スタッフ、ご出席の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことを、おわび申し上げます」と読み上げた。優勝を決めた7日にも広島市内でのパブリックビューイングで謝罪していたが、選手を前にしては初めてだった。

 さらに「本意としては心底、優勝してほしかった」と釈明。選手をねぎらい「連覇は森保監督の下、スローガン通り一丸となった成果。天皇杯や来年のACLでもJ1王者の底力を発揮して、期待に応えていただきたい」とエールを送った。

 松井市長は7日の最終戦を前にした3日の懇親会で「優勝すると急いでスタジアムをつくらないといけないので、サンフレッチェは2位でいい」などと発言した。広島市民球場跡地の利用法の1つに上がるサッカースタジアム構想が念頭にあっての言葉で、この日も「スタジアムについては言及いたしません」とジョーク交じりに結んだ。

 監督や選手も市長と握手を交わして笑顔を見せるなど“大人の対応”を見せた。FW佐藤は「僕らが結果を出していくことでスタジアムの動きも活発化する。いい状態の時にサッカー専用スタジアムでプレーしたいし、クラブと広島の発展にも必要。子どもたちの夢にもなる」と穏やかな表情で建設サポートを願った。

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