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なでしこ 中国でも大人気!アウェーの風吹き飛ばした

[ 2011年8月29日 06:00 ]

<なでしこジャパン移動>済南空港に到着し笑顔を見せる沢

 なでしこジャパンが“アウェーの風”を吹き飛ばした。来月1日に開幕するロンドン五輪アジア最終予選に出場するなでしこジャパンは28日、13時間の長時間移動の末、試合が行われる中国山東省の済南に到着した。空港では約200人が押し寄せるなど、そのフィーバーぶりは中国にも波及。サッカーでは日本に対して強烈なライバル意識を持つ中国だけに、これまではアウェーの洗礼が待ち受けていたが、世界一効果で一転、異例の友好ムードでの出迎えとなった。

【ロンドン五輪アジア予選 メンバー】

 なでしこジャパンの選手たちが姿を現すと、済南空港の到着ロビーが騒然となった。テレビカメラ11台と報道陣がズラリと陣取り、約200人の人だかりが出迎える。荷物を運ぶ選手たちには無数のフラッシュが浴びせられた。佐々木監督は地元ファンに取り囲まれ、沢を見て「沢~!」と声援を送って感動する中国人サポーターまで。選手やスタッフは人混みをかき分けながら移動バスへと乗り込んだ。

 その直後、山東省のメディア関係者がチームバスの中をガラス越しに撮影。日本サッカー協会のスタッフがカメラに記録されていた全ての画像データをチェックし、今後の練習取材の禁止を通告するハプニングも起こった。アウェー中国での異例の歓待は、“なでしこフィーバー”が海を渡ったことを意味していた。

 もみくちゃになった佐々木監督は「中国は7回目だけど、こんなに(大歓迎)だとは…。凄いね」とさすがに驚きを隠しきれなかった。出発した岡山空港には開港以来史上最多となる600人のファンが訪れてチームを見送ったが、負けず劣らずの歓迎ぶり。FW大野も「中国に来ても変わらないですね」と思わず笑顔を浮かべた。

 この日は約13時間のハードな移動だった。事前合宿を行っていた岡山県美作市の宿舎を出発したのは早朝6時30分。経由地の中国・上海では、陸路で別の空港に移動する必要もあった。済南の宿舎に到着したのは日本時間の午後7時をすぎていたが、佐々木監督は「快適でした。長い乗り換え時間?食事をしていて、ちょうどよかった」と笑い飛ばした。温かい出迎えが旅の疲れを癒やしてくれた。

 この日は宿舎周辺を散歩しただけで、現地での最終調整は29日からスタートする。中国メディアの質問に対して、佐々木監督は「もちろん出場権は獲得します」と力強く言い放った。アウェーの逆風まで追い風に変えたなでしこジャパンがロンドンへの道を突き進む。

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2011年8月29日のニュース