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28歳会社員が“ラモス・ジャパン”に大抜てき

[ 2011年8月26日 11:20 ]

ビーチサッカーのW杯日本代表に選ばれた小牧

 浜松市在住の小牧正幸(28=SPOSiC JAPAN)がビーチサッカーの日本代表に選出され、W杯ラベンナ大会に出場することになった。26日、開催地のイタリアへ出発する。一般の会社員だが、ラモス瑠偉監督(54)の目に留まり代表入り。マイナー競技を普及させるという使命を担い、なでしこジャパンの再現を狙っている。

 「普通の会社員がW杯に出るなんて。サムライブルーのユニホームを着て君が代を聞いたときは感動しました。君が代が短く感じて」小牧はまだ戸惑いを隠せない。それでもウエーブヘアーと日焼けした肌はビーチによく似合う。「せっかくのチャンス。(代表選手)16人全員で世界一を狙いたい」と意気込んだ。

 本格的に競技を始めてから、半年での代表入り。小学2年生でサッカーを始めたが、名門の東海大一高(現東海大翔洋高)時代は補欠。浜大2年生のときに引退し、バーテンダーを目指した。

 ビーチサッカーとの出合いは5年前。友人から誘われ、4年ぶりにボールを蹴った。芝のピッチと異なり、ゴルフのバンカーショットのように難しかったが「好きなオーバーヘッドをやっても痛くない」と、砂浜ならではの魅力を感じた。

 年に数回活動していたチームは昨年解散。同4月に現在のSPOSiCに参加した。昨年10月に沖縄で開かれた全国大会に初出場。そこでのプレーがラモス監督の目に留まり「11月にイランと親善試合をやるから来て」とその場でオファーを受けた。小牧は「正直半信半疑でした(笑い)」。

 50メートル走7秒2と速くないが「武器は初速の速さ。1対1の場面でスピードを生かし点を取りたい」。土、日曜日のチーム練習以外は自主練習。勤務先の仕事を終えた後、中田島砂丘を走る。ラモス監督からは「闘争心がある」と期待される。

 なでしこジャパンに刺激を受け「世界一になったことで注目されている。今はコートもゴールもないが、結果を出すことでビーチサッカーの環境を変えたい」。“砂浜ジャパン”としてなすべきことを、2歳になったばかりの愛娘・侑愛(ゆあ)ちゃんに誓った。

 ◆小牧 正幸(こまき・まさゆき)1982年(昭57)8月30日、富士市生まれの28歳。小学2年生のときに穆清SSSでサッカーを始める。趣味はウエークボード、バーベキュー。家族はあゆみ夫人(33)と長女の侑愛ちゃん。身長1メートル75、体重62キロ。血液型AB。

 <初戦はメキシコ>日本は1次リーグでD組に入り、9月2日にメキシコ、4日にウクライナ、6日にブラジルと対戦する。各大陸のチャンピオンが入る“死の組”となった。上位2チームが決勝トーナメントに進出するが、小牧は「日本もアジア王者。ここを抜ければチャンスはある」と05年の第1回の4位以上を見据えた。

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2011年8月26日のニュース