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中沢以来のDF快挙へ 吉田「22魂」で連発だ 

[ 2011年1月12日 06:00 ]

バランスボールでトレーニングする吉田(中央)

アジア杯1次リーグB組 日本―シリア

(1月13日 カタール・ドーハ)
 日本代表のアジア杯1次リーグ初戦ヨルダン戦で同点弾を叩き込んだDF吉田麻也(22=VVVフェンロ)が、再びザックジャパンを救うことを誓った。13日(日本時間14日未明)の第2戦シリア戦で国際Aマッチ2戦連発となればDF登録選手としては中沢佑二(横浜)以来の快挙。その中沢が代表で背負っていた背番号22を受け継いだ吉田が、シリアの堅守を破る。

 日本の窮地を救った“シンデレラボーイ”への期待が高まるのも当然だった。9日に同組の裏カードであるシリア―サウジアラビア戦を観戦したザッケローニ監督は「日本とヨルダンの試合と同じ。しっかり守ってカウンターを狙ってくる」とサウジを破ったシリアの守備的戦術を警戒。FIFAランク107位のシリアとのAマッチ通算対戦成績は6勝1分けと相性はいいが、ヨルダン戦同様に流れの中での得点は難しい。それだけに指揮官は「相手が引いた試合ではセットプレーが武器になる」と、ヨルダン戦でCKから同点弾を叩き込んだ吉田のヘッドが、勝ち点3への近道になることを示唆した。

 吉田自身にとっても国際Aマッチ3試合目となるシリア戦は、偉大な記録への挑戦の場でもある。日本代表のDF登録選手として2戦連発を果たせば、08年の中沢以来、史上6人目。加藤久(元京都監督)や柱谷哲二(現水戸監督)ら歴代の名DFに肩を並べることになる。

 もちろん吉田の武器はボンバーヘッドにも負けないヘディングの強さだ。09年まで在籍した名古屋では公式戦通算11得点中8点、特に09年シーズンは8得点中7点を頭で叩き出した。「闘莉王さんと中沢さんの2人から学ぶところは多くあった」。早大人間科学部eスクールの通信教育を受けている勤勉家は、闘将のゴール前での気迫、そして本家ボンバーヘッドの決定力を独自に研究して身につけていった自負もある。

 「とりあえず1試合終えて“ああ、こんな感じか”と分かった。今年はウサギ年ですから、さらに良くしていきたい」。干支(えと)になぞらえて自身の飛躍も誓う新・背番号22が、ザックジャパンに対アジア初勝利をプレゼントする。

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2011年1月12日のニュース