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クライフ級の評価!メッシ2年連続バロンドール

[ 2011年1月12日 06:00 ]

バロンドールを受賞したメッシは、トロフィーを手に笑顔

FIFAバロンドール

(1月10日
スイス・チューリッヒ)
 FIFAは10日、スイスのチューリヒで2010年の世界最優秀選手「FIFAバロンドール」を発表し、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(23)が栄冠に輝いた。今回から記者投票によるフランスフットボール誌選定の「バロンドール」と各国代表の監督と主将によるFIFA最優秀選手が統合。両賞ともW杯開催年は大会優勝国から受賞者が出るのが通例だったが、W杯8強のメッシは高い個人能力で異例の受賞となった。

 ケタ外れなパフォーマンスが快挙を呼んだ。W杯を制することなく開催年の「最優秀選手」に選ばれることはない――という慣例を破って受賞。メッシは「選ばれると思っていなかった」と驚いた様子で結果を受け止めた。

 昨年までのFIFA最優秀選手は4年ごとにW杯優勝国から受賞者を選出。旧バロンドールは94年まで欧州クラブ所属の欧州国籍選手が対象だったため、南米勢がW杯を制した年は優勝国からの選出自体が不可能だったが、それでも欧州勢が勝った場合はW杯王者から選ばれていた。唯一の例外が74年準優勝で受賞したオランダ・クライフだ。メッシは当時トータルフットボールでサッカーを変えた革命児並みの評価を受けたことになる。

 W杯南アフリカ大会は無得点に終わり、準々決勝で敗退。バルセロナのチームメートでともに3人の最終候補に残ったシャビとイニエスタはスペインをW杯優勝に導いているだけに、今回はメッシの苦戦を予想する声が多かった。しかし、その能力を同じ現場レベルで知る各国代表の監督と主将から高い支持を集め、統合前の両賞をダブル受賞した09年に続いて世界最優秀選手に選ばれた。

 「この賞はチームメートにささげたい。シャビやイニエスタも受賞に値する活躍だった」と仲間を気遣ったメッシだが、09~10年シーズンにバルセロナの公式戦53試合で47得点を記録。1試合平均0・89得点という驚異的な数値でチームを引っ張り、1メートル69の小柄な体ながら驚異のドリブルで大型DFを手玉に取ってきた。ファンを喜ばせ、相手選手を恐れさせたプレーはW杯優勝を逃しても十分受賞に値する。W杯前年のバロンドール受賞者は翌年のW杯に優勝できないというジンクスは破れなかったが、優勝しなくても世界最高と認められた。メッシがまた1つ歴史を塗り替えた。

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2011年1月12日のニュース