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長谷部「タテの意識」が変えた岡田ジャパン

[ 2010年3月4日 06:00 ]

<日本・バーレーン>前半、ドリブル突破を図る長谷部誠

 【日本2―0バーレーン】長谷部の持つ「縦の意識」が岡田ジャパンの閉そく感を打開した。ボランチの長谷部を経由したパスは35本。本田への6本、中村への5本と2列目の選手へのパスが最も多く、2本のミドルシュートを含めた全体の74・3%に当たる26本のパスが、ゴールに向かう縦方向のパスだった。

 特に序盤の15分間。長谷部は相手DFラインの裏を狙ったパスを多用した。「バーレーンのDFは前に強い。裏を意識させることでDFラインの前のスペースが広がるという意図があった」と言う。決定機をつくるのが目的ではない。岡田ジャパンの生命線は細かなパスをつなぎフィニッシュを目指すこと。そのための伏線だった。

 バーレーン戦のテーマは(1)早めのパス(2)2列目の左右MFをサイドに張らせる、の2点。前半も30分以降は、長谷部の縦の意識が“ジャブ”のように効いてきた。例えば同36分の1点目。中村→本田→中村とつないだパス交換は、ゴール中央にもかかわらず、DFから受けるプレッシャーが明らかに弱くなっていた。

 東アジア選手権では中盤から前にボールが進まず決定力不足を招いた。この日は長谷部の縦パス、ドリブルが効いて、中盤に持ち前のパスワークを生かすためのスペースが生まれた。W杯への光明が見えた。不動のボランチは4日、ドイツに飛ぶ。右手にはW杯初戦で激突するカメルーンのDVDがあった。

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2010年3月4日のニュース