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さらばスペイン…最後のW杯へ「出場あるのみ」

[ 2010年2月23日 06:00 ]

 移籍にW杯の夢を懸ける男たちの戦いが佳境に突入した。W杯メンバー入りのために冬の移籍市場で新天地での挑戦を決断。オランダ代表引退を撤回したFWルート・ファンニステルローイ(33)はレアル・マドリードからハンブルガーSVに移籍して復帰を狙う。最後の悪あがきか、起死回生の戦略か。5月のメンバー発表まで戦いは続く。

 1月に開かれた冬の移籍市場。チームの土台が固まっているシーズン真っ最中の移籍はリスクを伴うが、そんなことを言ってはいられない。ファンニステルローイは「オレはW杯に行くつもりなんだから残された道は出場、出場、出場あるのみなんだ」と力を込めた。

 前半戦を過ごしたレアルではリーグ戦と欧州CLで途中出場がいずれも1試合。右ひざ手術から復帰直後に故障したことに加え、大型補強の影響もあった。出場機会確保には移籍しかない。過去にオランダ、イングランド、スペイン各リーグで得点王に輝いたストライカーが新天地としたのは初挑戦のドイツだった。

 母国オランダの隣国でなじみが深く、ハンブルガーSVの同国代表DFマタイセンらから情報を入手。「子供のころから見ていたリーグ。すぐ適応できる」。言葉通り加入2戦目となった13日のシュツットガルト戦は途中出場で2得点。強いインパクトで母国では代表復帰待望論が沸騰した。

 元同国代表FWの評論家ユーリ・ムルダー氏は「オランダはいいストライカーがたくさんいるわけではない。彼は明らかに格が違う」と指摘。ファンニステルローイと同じセンターFWのフンテラールはACミランで定位置を確保できず、ウイングとセンターFWをこなすファンペルシーも昨年11月に右足首を手術した。W杯を万全で迎えられる可能性は低く、代表歴代4位の33得点(64試合)を挙げた元エースの決定力は大きな魅力だ。

 08年欧州選手権後にレアルに専念するため代表を引退。「これほど後悔すると思わなかった。最後に自分のすべてを注ぎたい」とファンニステルローイ。20日のフランクフルト戦を太腿痛で欠場するなどまだ万全ではないが、ファンマルバイク代表監督も「彼自身が完全に戻ったと感じられれば電話をくれるだろう」と接触を心待ちにする。結論は5月。復帰が決まればW杯1次リーグで対戦する日本にとっても大きな脅威となりそうだ。

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2010年2月23日のニュース