×

地元反応も厳しく…俊輔あこがれのスペインで苦境に

[ 2009年12月16日 18:44 ]

スペイン1部リーグのバリャドリード戦で出場機会がなく、戦況を見守るエスパニョールの中村俊輔=11月

 あこがれのスペイン1部リーグに移籍して5カ月が過ぎた。日本代表で絶対的な存在であるMF中村俊輔が、エスパニョールで苦闘している。心待ちにしていた12日の強豪バルセロナ戦は出場機会がなく、ベンチからチームのリーグ戦5連敗を見つめた。今季フル出場はわずか3試合、いまだゴールもない。

 「チームのために、こつこつと仕事をするしかない。ポジティブにやっていく」と話すが、状況は苦しい。スター扱いで歓迎した地元メディアやサポーターの声も日に日に厳しさを増している。地元スポーツ紙、マルカの記者は「期待されてここに来たが、何も特別なプレーをしていない。ファンも辛抱できなくなっている」と手厳しい。
 中盤や前線との連係の中で才能を発揮する中村だが、エスパニョールは個人技頼みの選手が多く、やや大味なサッカーのため持ち味を出せていない。Jリーグ1部(J1)横浜Mで監督経験のあるデラクルス氏は「彼は技術的に非常に優れ、このリーグでやるのに問題はない。質の高いMFはチームの質も向上できるはずだが、彼自身がまだチームに適応できていない」と見る。
 ワールドカップ(W杯)を控え、このまま出場機会を失えば、日本代表にも痛手になる。試合勘が鈍れば、パフォーマンスは確実に低下する。ポチェッティーノ監督は「ナカ(中村)は苦労しながらも少しずつ学んで適応しようと努めている」と話すが、今後の起用法は不透明だ。
(共同)

続きを表示

2009年12月16日のニュース