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なでしこ歴史的4強!中国を2発粉砕

[ 2008年8月16日 06:00 ]

<日本・中国>前半15分、先制ゴールを決め、岩清水に抱きついて喜ぶ沢(右から2人目)

 【北京五輪・サッカー女子 日本2―0中国】日本女子サッカー界に新たな歴史が刻まれた。日本女子代表なでしこジャパンは15日、準々決勝で開催国の中国を2―0と撃破。前半15分にMF沢穂希(29)が先制ゴールを決め、後半35分にFW永里優季(21)が追加点を挙げた。五輪、W杯を通じて女子の世界大会ベスト4入りは初めて。18日には初のメダル獲得を目指し、1次リーグで敗れている世界ランク1位・米国とのリベンジマッチに臨む。

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 なでしこが歴史をつくった。95年W杯と04年アテネ五輪の8強を超える、女子世界大会初の4強入り。柔道の塚田、バドミントンの「スエマエ」が相次いで中国に敗れた日、サッカーは開催国を一蹴した。「目標のベスト4まで来たら、メダルを頭に入れて試合をやっていきたい。もう負ける気がしない」。今大会3得点目で得点ランクトップに並んだ沢は、あと1勝と迫ったメダルを視野に入れた。

 1次リーグ最終戦でノルウェーを倒し、勢いづいた。前線からプレスをかけ、ボールを奪う本来のサッカーを展開した。前半15分、MF宮間が蹴った左CKに飛び込んだのは沢。DF2人との競り合いに勝ち「走り込んでのヘディングが上手」と佐々木監督が絶賛する通り、鮮やかな先制弾を決めた。

 ホテルを出発する際、5分間のサッカー映像を見て気分を高めるのが恒例だが、この日、佐々木監督が「忘れ物はないか」と言っただけ。綾小路きみまろを崇拝する指揮官の“オヤジセンス”に「ブーイングでした」と池田主将。だが、チームの緊張感は一気に解けた。10日間で4試合。過酷な日程に備え、16日間の事前国内合宿で1日平均4時間、足がつるまで練習した成果で走力は衰えなかった。後半35分、FW永里が左足でダメ押しの2点目を決めると、地元観客は続々と帰路に。指揮官は「ベスト4への壁を破ろうという意欲が勝った。僕自身も彼女たちの未知数の力がどれくらいか分からない」と選手たちを称えた。

 準決勝の相手は1次リーグで敗れ、過去20回の対戦で一度も勝っていない米国。04年アテネ五輪準々決勝で敗れた悔しさも忘れていない。沢は「もう負けるのは嫌。五輪のリベンジは五輪で果たす」と宣言した。

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2008年8月16日のニュース