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吉と出た荒療治…千葉7カ月ぶり勝った

[ 2008年5月11日 06:00 ]

<千葉・京都>今季初勝利を挙げた千葉イレブンは勝利の儀式「でんぐり返し」を披露

 【千葉1―0京都】優勝したような騒ぎだった。1―0で京都を破り、開幕12戦目にして今季初の勝利を告げる笛が鳴ると、ホーム・フクアリの黄色い客席が総立ちとなった。初めての勝利の儀式「でんぐり返し」に拍手が降り注ぐ。MF下村主将は「忘れるところだった」と満面の笑みでおどけ、新潟から復帰した選手会長のMF坂本は「責任を感じてた」とうれし泣きした。

 ヨジップ・クゼ監督(55)の解任というショック療法が、結果的に白星をもたらした。7日に今季から就任した指揮官を成績不振を理由に解任。リバプール前ヘッドコーチのアレックス・ミラー新監督(58)は、この日午前に来日したばかりだった。新指揮官が見守る中、監督解任を受けてヘッドコーチに就任した沢入重雄氏(45)が、合流してわずか3日で指揮を執った。

 荒療治は吉と出た。後半23分、自陣からドリブルで駆け上がったFW新居が絶妙のスルーパスを通す。GKと1対1になったFWレイナウドのループシュートが右ポストに当たったはね返りを、MF工藤がゴールに流し込んだ。「やっと勝てた」。今季初ゴールが値千金の一発となった。

 クゼ前監督時代は、ミスした選手を次の試合の先発から外すため、同じメンバーが2試合連続で先発することがないほどだった。選手は自信を失い、指揮官は求心力を失った。試合中、相手選手に「このチームは終わってるよ」と吐き捨てる選手がいるほどだった。

 沢入ヘッドコーチはミスを恐れずに攻める姿勢を徹底させた。「勝つためにチームがひとつになった」。昨年10月6日の甲府戦以来、実に18試合、217日ぶりのリーグ戦勝利。7カ月の雌伏の末に3日で生まれ変われるチームなら、まだ絶望する必要はない。

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2008年5月11日のニュース