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テセ!久木野!2トップ弾で初勝利

[ 2008年3月31日 06:00 ]

<川崎F・千葉>前半44分、ヘッドでゴールを決める川崎Fの久木野

 公式戦4戦勝ち星なしだった川崎Fが、千葉を2―0で下して今季初勝利を挙げた。昨季J2得点王に輝いた期待のFWフッキ(21)が26日に突然退団。FWの故障者も続出し、控えFWゼロという異常事態に陥ったが、先発した北朝鮮代表の鄭大世=チョン・テセ=(24)と久木野聡(20)の2トップがゴールを決めた。昨季王者の鹿島は横浜を2―1で下し、3連勝した。

 苦しみを乗り越えた先に喜びがあった。公式戦1分け3敗とドロ沼に陥っていた川崎Fが初勝利。黒星を喫したW杯アジア3次予選のバーレーン戦から中3日でフル出場したゲームキャプテン中村は「ホッとした。うれしかった。いい形で勝てた」と笑顔でサポーターの声援に応えた。

 勝てないだけではなかった。試合4日前にフッキが起用の不満を訴え、突然退団。離脱中の我那覇に加え、ジュニーニョ、黒津も負傷し、最強攻撃陣と言われていたFW陣が、この日は控えもいなくなった。非常事態に主将のDF伊藤は「ピンチこそチャンス」と決起集会を開き、流れを変えようと必死だった。

 そんなチームの勝利への思いをゴールにしたのは、鄭大世と久木野の2トップだった。鄭大世は26日のW杯予選・韓国戦の疲労もあったが「自分がいなきゃ誰もいない。FWの仲間の分も僕が頑張らないと」と前半2分、相手のボールを奪って右足で先制した。

 フッキ退団効果もあった。3トップを昨年まで慣れ親しんだ3―5―2に戻したことで、中村がスルーパスなどでチャンスを量産。「気持ちで戦った。そういうのが今まで足りなかったから」。ピンチを迎え、精神面の強さもよみがえった。

 試合前、選手がスタジアムへ到着した時に、入り口にサポーター約300人が集まって大声援を送ってくれた。眠れない日々が続いたという関塚監督は「バスが到着した時からサポーターが強い気持ちを与えてくれた。原点は、きょうのようなハートのあるサッカー」と目を真っ赤にした。スタートは出遅れたが、その分、大切な勝利への気持ちを思い出し、川崎Fの今季がやっと始まった。

 ≪激怒「レフェリーひどい」≫20日のナビスコ杯で対戦した時は1得点1アシストと活躍した千葉MF米倉が、前半34分にラフプレーで警告2枚目となり退場。10人での戦いを強いられ、完全に主導権を奪われ完敗した。判定をめぐって何度も抗議した主将のMF下村は「レフェリーがひどすぎて試合にならない」と激怒。シュート1本に終わった日本代表のFW巻は「やっていくしかない」と険しい表情だった。

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2008年3月31日のニュース