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さあ大一番スイス戦!カー娘4強へ“宿敵”撃破だ

[ 2010年2月23日 06:00 ]

<ロシア・日本>延長11エンド、勝利にガッツポーズする本橋

 カーリング女子1次リーグで日本代表クリスタルジャパンは、今大会初のダブルヘッダーに臨み、1戦目のロシア戦では0―6の劣勢から延長の末に12―9と、五輪女子史上最大差の大逆転勝利を収めた。しかし、続くドイツ戦は波に乗れず6―7で惜敗。通算3勝3敗となった日本は、日本時間23日午前7時から、同じく3勝3敗で4位タイのスイスと対戦。上位4チームによる決勝ラウンド進出に向け、大一番に挑む。

 2度目の奇跡は起きなかった。ダブルヘッダー2戦目の第10エンド。一挙3点で同点を狙ったスキップ目黒のラストショットは、わずかに狙いから外れ、2点にとどまった。4敗していた昨年12月の欧州選手権覇者ドイツに6―7の手痛い敗戦。先制された第2エンド以降、一度も主導権を握れなかった戦いに、セカンド本橋は「チームとしての完成度が低かった。ミスなら次につながるものにしないと」と厳しい表情を浮かべた。
 第1試合のロシア戦では、奇跡的な大逆転勝利を収めた。第5エンドまでで0―6の大量ビハインド。阿部監督は「何かを変えないとどうしようもない」と、後半から今大会初めてメンバー交代することを決めた。ところが、控えの山浦は次戦の相手であるドイツの研究に専念中。準備できたのは第6エンド終了後というドタバタで「勝てるとは思ってなかった」(同監督)のが本音だった。
 ところが、第6エンドに3点を返すと、リード石崎を山浦に代え、セカンド本橋とサード近江谷を入れ替えた「一度も試したことがない」(阿部監督)オーダーで、さらに勢いづいた。極端に精度の落ちたロシアを相手に、ビッグエンドを積み重ね、五輪史上最大得点差の逆転勝ち。近江谷が「(次のドイツ戦に)勢いを持っていきたい」と声を弾ませたのも当然だった。
 しかし、波に乗れない。近江谷はセカンドで起用され、ショット成功率78%と持ち直したが、要所でミス。目黒も第3、4エンドでラストショットの距離感が合わず、流れを引き込めなかった。目黒は「朝の試合は何とか勝ったけど、内容は全く良くない。序盤から主導権を握らないと苦しい」と表情をこわばらせた。
 1次リーグ突破の目安は3敗まで。7戦目は、同じ3勝3敗で並んだスイスとの直接対決となる。2大会連続銀メダルのスイスは、大会序盤に3連敗しながら3連勝で息を吹き返した。過去21度対戦し、日本の5勝16敗。阿部監督は「セオリー通りではなく、リスクを負った大胆なことをやってくる。こちらも攻め負けないようにしないと。スイス戦が一番の正念場」と警戒した。
 旋風を巻き起こしたトリノ五輪。1次リーグ最終戦で対戦し、タイブレーク進出の夢を断たれた時の相手がスイス。そして、現在のチームで日本女子史上最高成績を記録した08年世界選手権、3位決定戦で敗れたのもスイスだった。2度の屈辱を知る本橋は「五輪は堂々と試合をすることが大事。下を向かずに堂々と試合したい」と気持ちを切り替えた。宿敵にメダルの夢を三度断たれるのか、それとも――。

 ◆98年長野五輪から五輪種目に正式採用された女子カーリング。1チーム8個のストーンをハウス(円)内に投じ、円内にとどまったストーンが得点となるため大量得点は珍しく、きん差のゲームが多い。19日の英国戦でマークした5得点(第9エンド)は、06年トリノ大会1次リーグで米国と対戦したカナダが第1エンドで5得点して以来2度目。21日のロシア戦での6点差逆転は、五輪史上最大差の逆転劇となった。

 ◆06年トリノ五輪スイス戦VTR 10カ国総当たりの1次リーグ最終戦で、タイブレーク(準決勝進出決定戦)進出を懸けて対戦。第4エンドに4点を失い2―7とリードされたが、第5~7エンドに1点ずつ返して5―7まで詰めた。しかし、第8エンドに決定的な4点を奪われ、スキップ小野寺がスイスのスキップ・オットーにギブアップの握手を求めた。4強に残れなかったが、4勝5敗で過去最高の7位となった。

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2010年2月23日のニュース