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美帆23位…“世界”を体感!「力不足」を痛感

[ 2010年2月23日 06:00 ]

女子1500メートルで23位に終わった高木

 スピードスケート最年少代表の高木美帆(15=北海道・札内中)は最も得意とする女子1500メートルで2分1秒86と振るわず、36人中23位に終わった。最下位の35位だった18日の1000メートルからは立て直したが、初出場の五輪で力不足を痛感させられる結果となった。

 ゴールした高木は笑顔を交え、観客席に頭を下げて回った。横断幕を掲げて応援していた父・愛徳(やすのり)さん(52)ら家族には手を振って応えた。3日前の1000メートルのレースにはなかった充実感が、胸いっぱいに広がっていた。
 「自己ベストには届かなかったので、力不足は感じました。でも、自分の持っている力は出し切ったかなと思う」
 「前半から飛ばす」と宣言した通り、積極的に脚を動かした。700メートルは昨年末の五輪代表選考会より0秒20速く通過したが、残り2周でペースダウン。前半でパワーを浪費した分、武器である終盤のスタミナが持たなかった。1分59秒47の自己ベストより2秒以上も遅いタイムで23位。最下位の35位だった1000メートルより結果は良かったが、代表選考会で1位となった得意種目でも世界は遠かった。それでも「1000メートルは雰囲気にのまれて力を出し切れなかったので、あの結果は悔しかった。今回は(結果を)受け止めることができる」と堂々と話した。
 大会公式サイトで高木のプロフィルの実績欄は空白。スピードスケート全170選手中、最年少出場として現地でも注目を集めたが、15歳の実力は未知数だった。桜井コーチは「本当の世界での位置が分かったと思う。これから4年間かけて、上位との差を詰めていけばいい」と話した。実力を測れたことが、初めて踏んだ舞台での何よりの収穫。「トップスピードが上位とは差がある。トレーニングを重ねてダッシュ力をつけないといけない」(同コーチ)と課題も明確になった。
 今大会の個人種目は終わり、メダルが有望視される団体追い抜きの出場も厳しくなった。田畑、穂積と組む3人目を争ってきたが、1500メートルでも5位に入った小平に力の差を見せつけられた。「まず疲れを取って、力を出し切りたい」。もうバンクーバーで出番はないかもしれない。それでも、メダルを狙う緊張感の中で先輩たちと練習することも、貴重な経験となる。

 <町民栄誉賞授与を検討>高木の地元、北海道幕別町で行われた観戦会には、浦幌町から祖父母も駆けつけた。町民ら80人と孫の姿に声援を送った祖父・清さん(79)は「4年後が楽しみ」。祖母・政子さん(79)も「いい経験になったはず。将来は金メダルを獲ってほしい」と願いを込めた。また同町は五輪出場に伴い、高木への町民栄誉賞授与を検討。早ければ年度内にも贈ることになった。

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2010年2月23日のニュース