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地元ヒロインに悲報…ロシェット母、宿泊先で急死

[ 2010年2月23日 06:00 ]

母親が急死した後の公式練習でうつむくロシェット

 【フィギュア女子】 突然の悲劇が、地元のヒロインを襲った。浅田ら日本勢のライバルになる昨季の世界選手権銀メダリスト、ジョアニー・ロシェット(24=カナダ)の母・テレーズさんが21日朝、バンクーバー市内の病院で急死した。55歳だった。

 ロシェットの代理人、デビッド・ベイデン氏によると、テレーズさんは娘の応援のため、夫のノーマンド氏とともに20日にモントリオールからバンクーバー入り。宿泊していたアパートで心臓発作を起こし、蘇生(そせい)措置を行ったが呼吸は戻らず、運ばれた病院で死亡が確認された。父親が選手村にいるロシェットに訃報を伝えたという。
 23日にショートプログラム(SP)を控え、精神的なショックが大きいが、ロシェットは出場する意向。カナダ連盟のラボワ会長は「彼女のどんな決断も支持する」と話し、ロシェットを選手村の個室に移すことを決めた。ロシェットはこの日の公式練習にも参加し、SP曲「クンパルシータ」をかけて練習。悲しみを振り払うように、3回転サルコーからのダブルアクセルや、3回転サルコーからの3回転トーループなどジャンプにも意欲的に取り組んだ。
 ともに戦う他のスケーターも、沈痛な表情で追悼の意を示した。浅田が「凄く残念ですけど、頑張ってほしいと思う」と話せば、キム・ヨナも「凄くかわいそう。早く立ち直ってくれて一緒に戦えることができればと思う」とライバルを気遣った。ロシェットには、88年カルガリー五輪のエリザベス・マンリー以来となるカナダ女子のメダル獲得の期待がかかる。自らの演技が天国に届くことを信じて、夢舞台で舞うしかない。

 <恋人はサポート誓う>ロシェットの恋人でトリノ五輪男子フィギュア銅メダリストのジェフ・バトル(27=カナダ)は「ジョアニーは強い人間。できる限りの助けがしたい。今大切なのは彼女のプライバシーを守ってあげること」と話した。また、ベイデン代理人は「彼女はタフなファイター。ギアを切り替えるのはとても難しいが、母と一緒に夢見た目標の実現に向かって頑張ると思う」との見通しを示した。

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2010年2月23日のニュース