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メダル獲りへ!!愛が、平野が死闘制した

[ 2008年8月17日 06:00 ]

平野(左)と組んだダブルスで勝利し、大喜びの福原

 【北京五輪 卓球】号泣!メダル王手だ!!女子団体戦の敗者復活2回戦で香港と対戦した日本は、エース・福原愛(19=ANA)がシングルスとダブルスで2勝を挙げてチームをけん引し、3―2で勝利を収めた。チーム全員がうれし涙を流す激闘を制し、17日に銅メダルを懸けて韓国と3位決定戦を行う。

 まだ早いのは分かっている。それでも、瞳の奥からわいてくる熱いものを抑えきれない。5番手・平野のプレーを祈るように見つめていた福原の目に、みるみる涙がたまっていく。かすむ視界に飛び込んできたのは、顔を覆って歓喜に浸る平野の姿。隣の福岡と抱き合った後、みんなで肩を組んで泣いた。
 「もう…ホントに最後はひざが笑ってて。自分のパワーを平野さんにあげたいって思ってた」
 これぞ、エースの働きだ。ここまで1番手で起用されていた福原が、今大会初めて2番手で登場した。しかし、1番手の福岡が敗戦。連敗は許されない状況で、世界ランク14位の林菱に2ゲーム連取される絶体絶命の大ピンチに陥った。だが、「せっかく五輪に来てるんだから思い切ってやろうと吹っ切れました」という第3ゲームから反撃し、上、下、横回転の新サーブを使い分けて大逆転。今大会初めて平野と組んだダブルスも0―2から大逆転し「自分のプレーはマル!良かったと思います」と笑った。
 エースの働きはコート内だけではない。前日15日の夜、福原は選手村の台湾選手団の宿泊棟に出向き、台湾の監督の電話番号を聞いた。世界ランク59位の黄怡樺につないでもらい、得意の中国語で3人しかいない日本の朝練習のパートナーをしてくれるように頼んだ。香港戦直前にみっちり打ち込めたことも、勝利につながった。
 17日の3位決定戦は、14日の1次リーグで0―3と完敗した韓国と激突。開幕当初、不調に苦しんだ福原が完全復活した今なら、リベンジできる。「みんなで頑張ってここまで来られた。メダルは大事だけど、それ以上に価値がある。獲れたら一番、いいですけど」とエースは力を込めた。みんなでつかんだ銅メダル、それはきっと金色よりも光を遠くに放つはずだ。

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2008年8月17日のニュース