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中村 最高の銅!!72年ぶり2大会連続メダル

[ 2008年8月17日 06:00 ]

中村礼子は銅メダルを手に笑顔を見せる

 【北京五輪 競泳】72年ぶりの快挙だ!!女子二百メートル背泳ぎ決勝で、中村礼子(26=東京SC)が自身の日本記録を1秒08更新する2分7秒13をマークし、アテネ五輪に続く2大会連続の銅メダルを獲得した。競泳日本女子の2大会連続メダルは、二百メートル平泳ぎの前畑秀子が32年ロサンゼルスで銀、36年ベルリンで金を獲得して以来72年ぶり。競泳女子日本勢で最年長のメダリストになった。

 長い間、中村は左手を突き上げて喜びをかみしめた。何度もスタンドの声援に応える。「うれしいのひと言です。今の自分の最高の結果を出せたと思う」。2個目の銅メダル。中村のほおに大粒の涙が伝った。
 プラン通りの完ぺきなレースだった。前半から飛び出すコベントリーを横目に、自分のペースを貫いた。100メートルまで4位、150メートルで3位に浮上。「ラスト50メートルが勝負だと思っていた。人を見ても自分のレースはできない」と最後は目を閉じて、懸命に腕を回した。持っている力すべてを出し切った。中村をとらえる後続はいなかった。
 4日前の悔し涙を、うれし涙に変えた。予選2位、準決勝3位で迎えた12日の百メートル決勝。周囲を意識するあまり、前半に力んでタイムを落とし、6位に沈んだ。その夜、平井コーチの前で号泣した。「二百メートルは自分の泳ぎをしたい」。平井コーチは前半を抑えるように指示した。「恐怖心があったけれど、怖がらずに行った」。勇気を持って自分のペースを守った。その結果が1秒以上の日本記録更新だった。
 二百メートルでは、アテネ五輪、05、07年世界選手権と続けて銅メダルを獲得した中村も、今大会は苦戦が予想されていた。今季の女子背泳ぎは世界の記録が大幅に伸び、世界ランキングは7位。「高速化が進んで、本当につらかった」ともがいた。
 普段はおっとりした性格だが、記録が伸び悩んだ6月には平井コーチに「私は大丈夫ですか」と詰め寄ったこともある。それでも、1日に長距離選手以上の2万メートルの練習をこなすひたむきさを忘れることはなかった。初出場でガムシャラにつかんだアテネの銅メダル。重圧に打ち勝ってつかんだ北京の銅メダル。「喜びは全然違います」。色は同じでも、中村にとっての価値は、今回の方が格段に大きかった。

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2008年8月17日のニュース